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アフガニスタン:子どもが「子ども」でいられる場所【2009年2月26日 アフガニスタン発】
暴力や虐待、搾取、育児放棄などから守られることは、全ての子どもが持つ権利です。しかし残念なことに、アフガニスタンの子どもたちの多くが、日々こうした行為に晒されています。 アフガニスタンの多くの地域で頻発する武力衝突と政情不安。その影響を受けている最も弱い立場にあるこうした子どもたちに手を差し伸べることは、非常に大きな困難を伴います。しかし、一部では、著しい進展も見られています。 子どもたちの権利の侵害状況を監視、報告し対応する「子どもの保護活動ネットワーク」が、アフガニスタン国内の34州のうち、26州に設置されました。また、法的支援や政府の各種サービスと市民の活動の連携を強化する「青少年情報・コンタクトセンター」も設置されました。 またユニセフは、他の国連機関やアフガニスタンの独立人権委員会と共に、武力紛争における子どもの権利の侵害を監視し、報告する仕組みを導入しました。 子どもが「子ども」でいられる場所 ユニセフが実施する「子どもの保護」事業プログラムでは、女性と子どもたちを保護するための政策を政府や市民社会に提案し、その実施を支援しています。暴力や搾取、虐待。さらに、拘禁されたり、武力勢力に捕らえられたり、路上で暮らし働いたり、家族と離れ離れになったり、児童労働や早婚を強いられている子どもたちを守るための、官民の仕組みづくりを応援しているのです。 アフガニスタン国民議会の数少ない女性議員であるカンダハール州のファレエバ・カカル氏は、女性の地位向上に向けた文化的な変革の必要性を訴えています。 「(アフガニスタンの)女の子は、15歳あるいは16歳で結婚しますが、これは子どもの発達において非常に危険なことです」と、カカル氏。「私の見解では、男性の考え方を変えるために、イスラム教の宗教的リーダーを通して男性の教育キャンペーンを始めなければなりません。宗教的リーダーたちは、イスラムの教えに従って、女性と子どもたちの権利の重要性を彼らの集会で説明するべきです。」 こうした一連の取り組みの中で、ユニセフは、出生登録の義務化、子どもへの暴力行為に対するより厳しい監視措置、武力紛争の影響を受けた子どもたちのための教育と心理社会的なプログラムの導入も提唱しています。学校で地雷の危険性を教えることは、クラスター爆弾のような不発弾からも子どもたちを守ることに繋がります。学校に「安全な遊び場」を作ることは、子どもたちが、安心して他の子どもたちと触れ合える安全な場所、すなわち、子どもたちが「子ども」でいられる場所を提供します。 読み書き=安全をもたらす鍵
識字率が高い社会は、女性と子どもたちに安全な社会です。しかしながら、アフガニスタンでは、15歳から24歳までの識字率が、男性は49パーセント、女性はわずか18パーセントに過ぎません。 ユニセフは、女性の識字率の向上のための様々な活動を支援しています。こうした支援を受ける先述の「青年情報・コンタクトセンター」も、若者にとって重要な情報を配布し、アフガニスタンの将来を形成する若者の社会参加を促し、手助けしています。 こうした取り組みの成果も、既に表れはじめています。ハート出身のワイス・アハマド君(13歳)は、若者の権利を提唱する雑誌を自分自身で出版しました。「若者の悩みや問題を解決する手助けをすることが私の目標です。アフガニスタンが発展し豊かになって、若者自身が自分たちの才能を十分に発揮して、アフガニスタンに貢献することを望んでいます。」 ユニセフのこうした成果は、現地政府やNGO、他の国際機関との協力は勿論のこと、常にユニセフを応援してくださっている世界各国の政府や、企業、団体、個人のみなさまのご支援なくては生み出すことのできなかったものであることは言うまでもありません。ユニセフは、パートナーと共に、アフガニスタンだけでなく、日々世界各地の支援の最前線で、コミュニティや子どもたち、若者の安全を確保するべく活動しています。 *****
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