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『チーム・ユニセフ』
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© UNICEF/SLRA2013-0246/Asselin |
校庭でサッカーをして遊ぶ、シエラレオネの子どもたち。 |
スポーツや遊びは、子どもたちの生活に変化をもたらす力があります。世界中で子どもや若者がスポーツや遊びに魅了され、夢中になっています。これは、子ども時代に誰もが経験すべき、素晴らしい体験です。
遊びやスポーツをすることで、子どもたちは安全な場所で時間を過ごし、身体を健康的に保ち、楽しい時間を過ごすことができます。そして人道危機下では、トラウマの克服や「日常」を取り戻す手助けになります。それだけではありません。スポーツを通して、チームワークや友情、フェアプレイなど、人の価値観や心を形成し、一生の役に立つ学びを楽しみながら得ることもできるのです。また、女の子に対する固定観念や態度を変える効果もあります。
スポーツは子どもたちを支援するためにとても効果があると、ユニセフは考えています。その主な理由は3つ。1つ目は、スポーツや遊びに夢中になっている子どもたちの姿は、本来子どもがあるべき姿だからです。2つ目は、スポーツには子どもたちやコミュニティを動かす力があるから、そして3つ目は、スポーツは強い団結力を築く、不思議な力があるからです。
スポーツの効果は、身体の成長を助けるだけに留まりません。保健や教育、子どもの保護分野においても、効果的な手段の一つです。これは、「健全な発達のためのスポーツ」という考えに基づくもので、スポーツは単なる運動に留まらず、最も支援が必要な子どもたちの生活を向上させ、ミレニアム開発目標を達成する力になるという考えです。たとえば、洪水が頻繁に起こるバングラデシュでユニセフは、命を守るための手段である水泳を、15万人の子どもたちに教えています。
そして、スポーツと遊びは、子どもの権利条約31条にも明記されている、子どもの権利です。
© UNICEF_BANA2014-00555_Mawa |
サッカーをするバングラデシュの子どもたち。 |
しかし、スポーツと遊びが子どもの搾取にもつながっているという報告が、増加していることも確かです。これは、明らかに許されることではありません。
虐待のケースに対処するため、教師やコーチを対象に、子どもの権利や保護に関する認識向上の研修を実施する、「スポーツにおける子どもの保護」という政策を整備した国もあります。そして、搾取や虐待にあっている子どもたちが相談、通報をすることができるようにホットラインも設置しています。
しかし、それだけでは十分ではありません。
すべての国がスポーツに関する暴力から子どもたちを保護し、安全を守るための方法を強化しなくてはいけません。そして、子どもたちが、危害や搾取に阻まれることなく、安心してスポーツと遊びに情熱を注げるようにしなくてはなりません。
現在、ユニセフは世界で最も盛大で素晴らしいスポーツイベントのひとつ、サッカーワールドカップ2014の力、エネルギー、興奮を子どもたちに向ける活動をしています。
たとえば、最近ユニセフがラテンアメリカで開始した、“ヴァモス・ジョガール”(一緒にプレイしよう)というイニシアチブ。学校がスポーツに対してもっとインクルーシブな(誰もが受けいれられる)方法をとることができるようにするため、そして、すべての子どもが参加し自分の才能を生かすことができるようにするため、パートナー団体の主催のもと、ユニセフは500人以上の教師に訓練を行っています。
また、ユニセフは6月10日に「チーム・ユニセフ」をキックオフしました。スポーツに関するユニセフのすべての活動とパートナーシップを結束することで、子どもたちの生活によりよい変化をもたらすために始まりました。スポーツには様々な壁を取り壊し、疎外されている人たちも仲間に入れ、子どもの参加を促進させ、人々の態度に変化をもたらす力があります。その力を、子どもたちの生活をより良いものに変えるために活用するのです。
ユニセフは2014年のワールドカップでスペイン代表として出場した、レアル・マドリードのセルヒオ・ラモス選手をスペインのユニセフ・スポーツ親善大使として任命しました。ラモス選手もチーム・ユニセフの一員に加わり、これから世界の子どもたちのために、共に活動してくださいます。
もちろん、ワールドカップで応援するチームはみなさんそれぞれ異なり、心からそのチームをサポートしていることでしょう。しかし、私たち全員が共に応援し、参加できるチームもあるのです。チーム・ユニセフです。子どもたちのために、みんなでゴールを決めましょう。
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