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中央アフリカ共和国:雨季の前にマラリア予防の蚊帳の配布を【2014年2月18日 バンギ発】 中央アフリカ共和国の紛争は、この国の子どもたちの命を最も脅かす存在である蚊から、子どもたちを守る術をも奪っています。ユニセフは雨季の到来を目前にひかえ、マラリアの感染状況の悪化を防止するため、蚊帳の配布を行っています。 子どもの命を脅かすマラリア生まれて間もないこの小さな赤ちゃんはマラリアに感染してしまいました。 「まだ生まれて1週間の息子の小さな体が急に熱くなり、急いで病院に連れて行きました」と、ゴンベさんが息子のニリスくんを抱きしめながら語ります。 ニリスくんはマラリアと診断されました。マラリアは中央アフリカで子どもの命を脅かす主な原因になっています。この国で確認されているマラリアは、最も危険な種類のものです。 命からがら逃れてきた人たち
ゴンベさんは息子とともにバンギの国内避難民施設に身を寄せています。バンギの周辺には、67の避難施設があります。ゴンベさんは郊外のボーイングに住んでいましたが、セレカによる攻撃をうけ、妊娠中にもかかわらず避難をしなくてはいけませんでした。中央アフリカでは宗教間暴力によりコミュニティが引き裂かれ、何十万人もの住民が自宅からの避難を強いられています。 「命に危険が迫っているときに、蚊帳を取り外して持っていく時間などありません。国内避難民は蚊帳がないために、マラリアに感染する危険性が高まっています。感染して治療を受けなれなければ命を失いかねません」と、ユニセフのマラリア専門官であるローラン・フーンは語ります。 ゴンベさんのルームメートは、ユニセフから配給された殺虫剤処理された蚊帳をつるすために、崩れかかっている家屋の壁に釘を打ちつけ、ホックを作っています。この蚊帳が、レンガ造りの6平方メートルのこの家に住むニリスくんと11人の住民を蚊から守るのです。 「今まで使っていた古い蚊帳では、しっかりと蚊を防ぐことはできませんでした」と、穴だらけで継ぎはぎされた蚊帳を持ちながらゴンベさんは話しました。 雨季と共に高まるマラリア感染のリスク
国内避難民は劣悪な環境下で生活しており、もうすぐ到来する雨季には、マラリアの感染率が高まると予想されています。 子どもたちをマラリアの感染から守る最も効果的な方法は予防です。そのためユニセフはパートナー団体と協力し、バンギの国内避難民が身を寄せる施設に蚊帳を配布しました。また、病院や保健センターにマラリアキットや抗マラリア剤の提供も行っています。 「この子の人生の幕開けは苦しみが伴いました。ニリスは病状が良くなるまで、1週間入院しなくてはいけませんでした」と、ゴンベさんが赤い大きなスタンプが押された退院許可証を見せながら話しました。「でも、ニリスは今とても元気です。これからは新しい蚊帳が、この子の命を守ってくれます」 |