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中央アフリカ共和国:
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© UNICEFCAR/2014/Page |
昨日よりも歩けるようになったと喜ぶアミナ |
アミナは、やさしい笑顔を見せてくれました。もうすぐ8歳ですが、故郷の村で銃撃に遭い、太ももに傷を負いました。同じ銃撃で両親は亡くなり、アミナはバンギから数百キロメートルも離れた病院で治療を受けました。アミナは今、里親の元で暮らしていますが、その地域も立ち去らなければ命を狙うとまで脅す勢力に囲まれています。アミナは松葉杖なしでは歩けません。彼女の太ももに残る傷跡は4センチほどで、痛々しいものでした。それでも、アミナは昨日よりも数歩多く歩けたと喜び、驚くほど美しい笑顔を見せるのです。アミナは、再び歩けるようになることが、どれだけ大切かを真に悟っているようでした。
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「将来は警察官になって、両親を守りたい」と話すサラ |
サラの笑顔には、強い意志が見られました。11歳のサラは、攻撃を逃れて避難している何千人もの人々とともに、国内避難民キャンプに身を寄せています。両親はあらゆる仕事を引き受けて、日々の生活をしのいでいます。この深刻な状況を十分に理解しているサラは、空港内に設置された小さなテントの周りを掃除すると、廃飛行機の下にごみを捨てに行きます。それから薪を拾い、火をおこしてコーヒーを作り、それを叔母が売りに行きます。バケツを使って家族分の洗濯をし、幼い妹の面倒を見ていると、遊ぶ時間はありません。彼女が望むことは、ただ、学校に戻って勉強をすることです。「将来は警察官になって、両親を守りたい」とサラは話します。
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蚊帳越しに、はにかみながらも笑顔を見せてくれたアリエル |
アリエルの笑顔は、輝かしいものでした。9歳のアリエルに出会ったのは国内で唯一の小児科病院でした。彼女は白い蚊帳が張られたベッドの上に座っていました。私は初め、アリエルがオレンジ色のシャツを着ているのだと思っていました。しかし、近づくと、胸から背中まで広がるやけどであることに気づきました。アリエルは数ヶ月入院しており、同じ部屋には、ほかにも戦闘で傷を負った子どもたちがいます。アリエルは病院内のことなら何でも知っており、他の子どもたちの親が「村長さん」と呼ぶほどです。アリエルに頼まれて携帯電話で写真を撮って見せると、蚊帳越しに笑顔を見せました。ディズニーのアニメのお姫様の名前と一緒だね、と私が話すと「そのことは知ってるわ。すごくきれいよね」と言いました。君はお姫様よりもずっときれいだと思うよ、と伝えると、アリエルは一瞬言葉をつまらせ、恥ずかしそうに笑うと「ありがとう」と一言ささやきました。
アミナとサラとアリエルは、私がこの数週間の間に中央アフリカ共和国で出会った、たくさんの素晴らしい子どもたちのうちの3人です。この国の不安定な情勢や危険に直面しながらも、子どもたちはいつも美しい笑顔と、未来への大きな希望と夢にあふれていました。
子どもたちの笑顔を見て、できることすべてをやり続けようとの思いを改めて強くしました。ユニセフは、中央アフリカで他の国連機関やパートナー団体、暫定政府とともに、保健、栄養、教育、子どもの保護、水と衛生の分野で活動を行っています。しかし、課題は山積しています。私が出会ったアミナとサラとアリエルは、この紛争下で影響を受けている230万人の子どもたちのうちの3人にすぎません。
ユニセフは、2014年の同国での緊急支援活動に6,200万米ドル(約62億6,200万円/1米ドル=101円で換算)の支援を要請しています。