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中央アフリカ共和国:
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© UNICEF/NYHQ2014-0330/Jan Grarup |
バンギ郊外の軍用空港の避難民キャンプに身を寄せる子どもと女性。 |
ユニセフ西部・中部地域事務所代表のマニュエル・フォンテーンは「飛び地に暮らす市民は包囲され、日々攻撃にさらされています。戦闘の継続は子どもと女性、男性に対する暴力行為にほかなりません」と述べ、「安全が確保されないことから、最も困難な状況に置かれている人たちに、ユニセフのような人道支援を行う機関が、持続的かつ体系だって支援や保護を行うことが阻まれています」と続けました。
バンギでは、自宅に戻ろうとしていた国内避難民の動きは暴力行為により一転し、人道アクセスは限界に近づきつつあります。国連人道問題調整事務所(OCHA)は、首都バンギにいる国内避難民の数はここしばらくの間で初めて、17万7,000人からおよそ20万人へと増加したと述べています。
ここ数日で治安は不安定さを増しており、ユニセフと政府の給水・衛生機関(ANEA:National Water Supply and Sanitation Agency)は、過去数カ月実施してきたPK12という居住区への飲料水の緊急供給を中止しました。同居住区には、治安の悪化により身動きが取れなくなり、約2,600人が避難生活を送っています。
今年1月以降、ユニセフは定期的に大型の貯水タンクをトラックに載せ、PK12に飲料水を運搬してきました。PK12に行くには、フランス軍と中央アフリカ国際支援ミッション(MISCA)の検問所に、時に敵意を持つ市民の中を通過する必要があります。検問所は、PK12の市民を守るためにその郊外に設置されています。
3月23日の週には、中央アフリカ西部の村と移動コミュニティが攻撃を受けたとの報告を受けました。直近では、バンギでの葬列が手りゅう弾で攻撃され、多くの市民が亡くなったとの報告もありました。フォンテーン代表は「住民や女性、子どもに対する暴力と残虐な行為は続いています。こうした状況は到底受け入れられるものではなく、暴力や治安の不安定さで、支援活動が阻まれていることは、中央アフリカの女性と子どもへの許しがたい脅威なのです」と述べました。
© UNICEF Central African Republic/2014 |
ユニセフは、紛争に関わるすべての勢力に対し、支援を必要としている人たちへの人道支援が全面的かつ安全に、妨害されることなく行えるよう、呼びかけています。この1年、子どもたちは自分たちが当事者でないにもかかわらず、残虐な紛争に直面し続けてきました。人権を侵害している者は、法の裁きを受けておらず、その罪を受けなければなりません。紛争下にある中央アフリカの子どもたちは230万にも上り、子どもたちを守るために我々はあらゆることをしなければなりません。
2014年、ユニセフは中央アフリカ共和国の子どもへの人道支援を行うために、国際社会に6,200万米ドルの資金協力を要請しています。そのうち、1,400万米ドルは、水とトイレ、衛生分野への資金が占めています。
■数字で見る概況
ユニセフは支援活動を拡大中。現在、首都バンギのほかに現場事務所3カ所(Bossangoa、Bambari、Kaga Bandoro)と移動チーム(Bouarへ派遣)を設置、人員を増強して150名体制で支援活動を行っています。