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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

中央アフリカ共和国:
3分の2以上の学校が休校
新学年が始まってから半年が経過

【2014年5月9日 バンギ(中央アフリカ共和国)発】

中央アフリカでは多くの学校が襲撃にあっている
© UNICEFRCA/2013/Matas
中央アフリカでは多くの学校が襲撃にあっている。

新学年が10月に始まる中央アフリカ。すでに半年以上が過ぎましたが、ユニセフとパートナー団体の調査により、3分の2以上の学校が休校していることが明らかになりました。

ユニセフ・中央アフリカ共和国事務所代表のスリマン・ディアベットは「教育システムは崩壊寸前です。多くの教員は数カ月も給与が支払われず、教科書もなく、紛争前にあったわずかな施設も破壊されました」と述べました。

3分の2以上が休校、厳しい現状が明らかに

2012年末に起きた中央アフリカの危機は、学校年度では2年以上に及びます。多くの家庭は、子どもたちを学校に通わせることをためらったままです。

調査では、厳しい現状が明らかになりました。

  • 昨年10月以降、学校が開校していたのは平均でわずか4週間
    原因として、教室の破壊、教員がなかなか戻ってこないこと、教員への給与の支払いが滞っていることがあげられる
  • 調査は355校を対象に実施
    うち3分の1の学校が、ここ数カ月で襲撃や銃撃、放火、略奪、武装勢力による占拠を受けている
  • 就学率は大幅に下落
    昨年通学手続きをした子どもの3人にひとりは、今年度、通学登録がない状況
ユニセフの「子どもにやさしい空間」でお絵かきをする子ども
© UNICEF/NYHQ2014-0398/Roger LeMoyne
首都バンギの避難所に設置されたユニセフの「子どもにやさしい空間」でお絵かきをする子ども。

ディアバット代表は「この危機は、子どもたちから家族、家、安定など、あまりにも多くのものを奪っています。子どもたちから教育を奪わってはいけません。子どもたちは、よりよく、そしてより平和な未来を願っているのです」と述べました。

ユニセフは教育省を支援し、学用品の提供や略奪された学校の修繕、教員の研修を行っています。

首都バンギを含め、情勢が不安定なところでは、教育の再開が妨害されています。ユニセフとパートナー団体は、これまでに臨時の学習スペースを約120カ所設置し、最大2万3,000人の子どもと若者が学び、遊び、心のケアを受けられるようにしています。

ユニセフは教育プログラムを実施していますが、大幅に資金が不足しています。教育プログラム単独で1,000万米ドルの資金を要請していますが、これまでに寄せられたのは300万米ドルです。

バンギの避難所で、小学校教師のリタさんは「このような生活があまりにも長く続けば、子どもたちは学んだことを忘れてしまいます。だからこそ、学校に通えることが重要なのです」と語りました。

■補足情報:

  • 調査は電話で2014年2月に実施、中央アフリカ国内の16州の355の学校を対象
  • ユニセフや教育省、WFP、NGOなどによる教育クラスターが調査を担当
  • 学校年度で2年間、通学できなかった子どもたちに、1年間の受講延長を許可

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