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カメルーン:最大の中央アフリカ難民受け入れ国
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© UNICEF/NYHQ2014-0407/LeMoyne |
赤ちゃんにすぐに口にできる栄養治療食を与える母親。 |
最近実施された国連の調査により、カメルーンに避難している中央アフリカ共和国の難民の子どもの3人にひとりが栄養不良にあることが判明しました。
ユニセフ・カメルーン事務所代表のフェリシテ・トゥキビンダットは「母国中央アフリカでの恐怖を生き抜いた子どもたちは、避難先で、栄養不良と合併症で命の危機にさらされています。子どもたちに死が忍び寄ってきているのです。年長の子どもや女性を含めて一家全員が栄養不良にあることは、極めて憂慮すべき状況です」と述べました。
2013年12月以降、カメルーンへ逃れた中央アフリカの難民は10万人以上、その半数以上は子どもたちです。数週間、時に数カ月、歩き続け、森に身をひそめながら避難してきました。避難者のうち、5歳未満の子ども20〜30%に栄養不良が見られます。多くの緊急事態下では、栄養不良の割合が15%を超えると重篤といわれており、そのほぼ倍にあたる割合で栄養不良が起きている現状は、極めて厳しい状況にあるといえます。
調査では、以下のことも判明しました。
© UNICEF/NYHQ2014-0403/LeMoyne |
栄養状態の検査を受ける子ども。メジャーが赤色を示し、男の子は栄養不良状態であると診断された。 |
現場を訪問したユニセフ、UNHCR、WFPらのメンバーは、病院内で、多くの痩せ細った子どもたち、病気の子どもたちがいたこと、そして一つのベッドに2、3人が寝ていたとの厳しい状況を報告しました。
現在栄養不良にある子どもたちが、重度栄養不良に陥る危険性は極めて高くなっています。治療を受けられなければ、重度栄養不良で死亡する恐れもあります。中央アフリカとの国境近くにあるバトゥリ(Batouri)の病院では、重度栄養不良による死亡率は、5月だけで、24%以上となっています。
ユニセフ、UNHCR、WFPは、現場で活動するパートナー団体とともに、栄養不良にある子どもたちとその家族が必要とする栄養支援を拡大すべく、取り組みを進めています。10歳以下のすべての子どもたちには、補食と治療食が与えられています。
移動診療所は、カメルーンの地域社会に避難している栄養不良の中央アフリカ難民の子どもたちへ、栄養支援を行っています。
2014年3月以降、難民到着所や避難所、病院にある栄養治療センターに入院して、重度栄養不良の治療を受けた子どもは1,600人以上に上ります。このほか、子ども9,000人と母親2,000人が補食プログラムを受けました。国連機関やNGOを通じて、食糧支援を受けた人は計5万人以上となります。
WFPカメルーン事務所のギアン・カルロ・キルリ部長代理は「栄養危機は、臨界値を越えたと断言できます。WFPは、最大限の栄養支援を行うべく、懸命に活動しています」と述べました。
戦略対応計画に基づくカメルーンでの中央アフリカ難民への栄養支援に、900万米ドルの資金が要請されていますが、緊急性が高いにもかかわらず、これまでに寄せられた支援はわずか2%にとどまります。国際社会からの支援が得られなければ、死亡者は増加の一途をたどります。
■ 参考情報:中央アフリカ避難民・難民について
<国内で避難し、国内避難民となった人たち:計53万5,000人>
首都バンギに避難している人たち11万人、人口460万人、人道支援を必要とする人230万人
<周辺国に逃れ、難民となった人たち:計38万7,507人>
カメルーン:21万4,297 人、チャド:9万5,864 人、コンゴ民主共和国:6万116 人、コンゴ:7,230人