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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

中国 青海地震  多くの学校が全半壊

【2010年4月15日】

© UNICEF/NYHQ2010-0687/Jerry

ユニセフは、13日に発生した大規模な地震の影響を受けた子どもたちのために、緊急に必要とされている支援物資を届けるべく準備を始めています。支援活動は、他の国連機関と調整の上行われる予定です。この地震により、玉樹県の農村地域は深刻な影響を受けました。この地域には、主にチベット遊牧民の人々が暮らしています。マグニチュード (M) 7.1を観測したこの地震の影響で、人口10万人の玉樹県の中心都市、結古の大部分が破壊されました。

現時点で、死者617名、負傷者9,110名に上ると報告されています。約313人が行方不明で、10万人が住む場所のない状態です。14日(水)夜、結古の多くの被災者たちは、氷点下の温度に耐えながら屋外で夜を明かしました。玉樹県の総人口は35万7,000人。そのうち子どもは、12万2,700人に上ります。

青海省保健当局によると、震災の影響で、玉樹県の母子保健病院は全壊したということです。医療物資や出産のための資材が緊急に必要とされています。

「我々は、子どもと女性の特別なニーズに焦点を当て、中国政府の活動を支援する準備を進めています。」ユニセフ中国事務所代表兼国連災害管理チームのイン・イン・ニュイ代表はこのように話しました。「中国政府関係者と常に連絡を取り合い、必要な情報を収集しています。民家、保健施設、学校といったところが大きな被害を受けているようです。」

玉樹県には、小学校50校、中学校4校、高校3校、職業高等学校1校があり、児童・生徒の数は全部で2万2716人、教師は1086人です。この子どもたちの90パーセントは、チベット少数民族の出身です。公立学校の始業時刻は8時半ですが、地震発生時の8時前には、子どもたちがすでに自習をしていた学校もあり、その多くが倒壊した校舎の瓦礫の下に生き埋めとなっていると見られます。 地元教育局関係者は、玉樹県にある小学校の80パーセント、中学校の50パーセントが深刻な被害を受けたと伝えています。この地震は、14日朝、学校の授業の開始直前に発生したにもかかわらず、人口がまばらな地域ではおよそ半数の子どもが寄宿学校に出席していました。地元当局は、学校用テントや防寒衣、布団、学習キットの支援を求めています。

14日夜までに、少なくとも56人の子どもと、5人の教師がこの地震により命を落としたと報告されています。職業高等学校では22人の子どもたちが命を落とし、そのうち20人が女の子でした。玉樹県の第3完全小学校では、死者34名、負傷者27名、推定200以上の子どもたちが瓦礫の下に生き埋めとなっている模様です。玉樹県教育局は、2階建て以上の校舎の50パーセント、1階建ての木造校舎の80パーセントが崩壊したと伝えています。 さらに多くの子どもたちが行方不明となっており、生き埋めになっているものと見られますが、青海省とチベット自治州との境界に位置する人里離れた山岳地域について十分な情報を得ることは、いまだに困難な状況です。

現在、最も緊急に求められている支援物資は、食料、飲料水、避難テント、衣服、毛布、布団、必須家庭用品、医療品、救命用具です。この時期の山岳地域の気温は、夜には氷点下に達します。ユニセフは、備蓄している緊急支援物資から、臨時学校用テント、子ども用の冬服、毛布などをいつでも届けられるよう準備を整えています。

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