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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

中国 青海地震
悪天候の中続く支援活動

【2010年5月27日 中国・北京発】

© UNICEF China/2010/Xu Xin
震災ので倒壊した青海省にある称多県中央完全小学校に、ユニセフが提供した冬用学校テントのひとつで、チベット語を勉強する子どもたち。

4月14日、中国青海省を襲ったマグニチュード7.1の地震。震源地近くの玉樹県には、多くの救援物資が届けられました。しかし、青海省の山岳地域では、更なる支援が必要とされています。

ユニセフが地元教育当局と共同で、玉樹県と称多県で実施した調査によると、強風と厳しい天候のために、この地域では、まだ学校が再開しきれていないことが判明しました。

ユニセフは、青海省地震被災地への大規模支援活動の第2陣として、この調査と並行して、5月9日から13日までに、玉樹県と称多県で児童・生徒用の教材キットを5000セット、子ども用の冬用の上着とズボン、靴下をそれぞれ5000セット、子ども用の長靴2000足等を、数度にわたって配布しました。

みぞれや雪との戦い

© UNICEF China/2010/Xu Xin
青海省の称多県の被災地に、ユニセフは、ひとつ72平方メートルある学校用テントを提供した。

震源から200キロ以上離れた称多県にある清水河小学校は、標高4,500メートルの雪を頂いた山の中に位置しています。ユニセフは、他の支援団体などとともに、雪とみぞれの中、支援物資を届けるべく奮闘しています。

ユニセフがこれまでに提供した冬用の学校テントでは、約1300人の子どもたちが、約120人の先生方のもとで勉強に励んでいます。

称多県では、約10万人の子どもたちが通っていた学校の約99パーセントが、地震により深刻な被害を受け、現在、教室や寄宿舎として使用することはできない状況です。ユニセフは、地震発生から数日のうちに、9つの学校に、冬用の学校用テント150基を急送しました。この結果、7,500人の子どもたちが、再び学校に通うことができるようになりました。

「ユニセフがテントを支援してくださらなかったら、震災後に全ての授業を再開することはできなかったと思います。」称多県のスオ・へ副知事はこのように話しました。

将来の教育活動への不安

© UNICEF China/2010/Xu Xin
青海省称多県の完全小学校で、震災の影響を受けた子どもたちのために新たに届いた、上着、ズボン、靴下などのユニセフの支援物資を配布するユニセフの調査チーム。

「この地域には、ほとんど救援の手が差し伸べられていません。」「そんな中、ユニセフは、二重構造となっている冬用の学校テントを届けることができました。そのため、子どもたちは授業を再開することができたのです。子どもたちを支援することができて大変光栄です。しかし、課題が残っています。標高の高いこの山岳地帯の天候は、非常に厳しいですから。」 共同調査に参加したユニセフ中国事務所のデイビッド・マクローリン副代表はこのように話しました。

この地域の年間平均気温は、マイナス5℃。冬は、8ヵ月間続きます。マクローリン副代表は次のように付け加えました。「現地政府が現在策定している復興計画を待っています。ユニセフは、その計画に基づいて、この地域の子どもたちに質の高い教育を提供させるべく支援を行う予定です。」

称多県の学校長と地元教育当局は、学校は8月末までしか継続できない見込みであることに、深い懸念を表明しました。そのころには、危険なほどの寒さとなる季節が始まり、冬用テントは山岳地域の低い気温と雪、みぞれ、強風には耐えられなくなります。玉樹県の学校には、プレハブの仮設教室が設置されはじめていますが、称多県をはじめ、震災の影響が玉樹県ほどではないにしても緊急の支援が必要とされている地域の学校にも玉樹県のような設備を整えるには、さらに時間が掛かるものと見込まれています。

“子どもたちには、非常に厳しい状況です”

ユニセフは、教育用資材が不足していると思われる僻地の学校の状況を確認するため、現地当局と密接に協力して活動を続けています。ユニセフは、こうした学校で学ぶ子どもたちも、継続的で質の高い教育を享受できるように、支援を続けているのです。また、適切な衛生施設(トイレ)や防寒着もなく、現在、避難テントでの暮らしを余儀なくされている多くの子どもたちや学校の先生方のために、教室のみならず寄宿舎の再建も支援するべく準備をはじめています。

「子どもたちには、非常に厳しい状況です。でも、子どもたちは学校に戻りたくて仕方がないんです。この地域は貧困層の割合が高い地域です。だからこそ、子どもたちの教育への熱意はすごく高いのです。」(マクローリン副代表)

こうした教育分野での支援に並行して、ユニセフは、妊産婦と子どもの保健、衛生施設、衛生習慣の普及、心理社会的なケアなどの分野における緊急支援を、中国政府と協力しながら展開し、震災の影響を受けた子どもたちを支援しています。

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