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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

■インド  じゅうたん製造地帯と児童労働

ウッタルプラデシュ州のバドヒとミルザプールはじゅうたん製造の中心地であり、それぞれの地域を核に、隣接するバラナシ、ジャウンプル、アラハバード、Sonbhadraを合わせてインドのじゅうたん製造地帯を構成します。これらの地域は、ウッタルプラデシュ州東部にあり、経済的には立ち遅れたところです。

こうした社会経済的な現状は、人口密度が高く、識字率が低いこと、また幼児死亡率が高く、広い土地を持てないことに由来しています。これらの地域の住民は、半数以上が貧困ラインを下回る暮らしを強いられているのです。

ウッタルプラデシュ州で作られるじゅうたんは、インドから輸出されるじゅうたんの実に85%を占めています。ドイツおよびアメリカ向けがおよそ75%、残り25%はヨーロッパ諸国やオーストラリア、極東に輸出されます。同州には織機が全部で15万〜17万台あり、そのうち5万台から7万5000台は未登録と考えられます。

じゅうたん産業における児童労働の規模は推計によって幅がありますが、織機1台を3人で動かすとすると、労働者の数は48万人から52万5000人ということになります。そのうち子どもが占める割合は8〜22%と考えられます。

じゅうたん産業拡大の要因は、この地方が貧しく、人びとが債務を抱えているため、安価な労働力が調達できることにあります。じゅうたん作りは、単純な織機を使い、昔ながらの手織りで作られます。そのため作業を郊外の民家に分散させることが容易で、子どもを労働に参加させやすくなっています。さらに世界市場での競争力を維持するためには、安価な労働力が絶えず求められており、それが児童労働の利用に拍車をかけています。

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