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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ラオス:台風16号の被災地支援に150万ドルの支援を要請

【2009年10月22日 ラオス発】

© UNICEF Lao PDR 2009/Winkler
洪水によって家が倒壊し、避難を余儀なくされ、支援物資を待つ子どもたち。

ユニセフは、他の国連機関やラオス政府と共に、台風16号(国際名「ケッツァーナ」)によって、破壊的な影響を受けたラオス南部のコミュニティの復興支援活動のために、国際社会に対し、緊急合同支援要請を発表しました。

今回の洪水の被災者は約17万8,000人。今回の合同要請は、これらの人々に対する今後6ヵ月間の支援活動の資金として、総額1,015万3872米ドルを求めるものです。

「このたびの緊急合同支援要請は、人道支援活動に携る各組織とラオス政府との効果的な連携を内容とするものです。」「そして、最も影響を受けた非常に弱い立場の人々が、彼らの生活を立て直すために必要な資金なのです。」 (ラオス政府ヤングチェン・ラナ外務副大臣)

台風16号は、ラオス南部の5つの地域(サバナケット、アタプー、サラワン、チャンパサック、セコン)を襲いました。この台風がもたらした大規模な洪水で15人が死亡。数万人が、住む場所と生活の糧となる田畑や家畜などを失いました。作物の収穫量が減り、各家庭の食糧の蓄えも少なくなるこの時期に発生した今回の台風と洪水の被害。多くの農家が、新たな収穫を得られない状況です。

今回の合同支援要請額のうち、ユニセフは、子どもと女性を対象にした保健と栄養、水と衛生、教育と子どもの保護の活動に必要な資金として150万米ドルを求めています。

© UNICEF Lao PDR 2009/Winkler
数千世帯の家屋と建物が倒壊し、深刻な被害を受けました。

保健分野での支援活動では、アクセスが難しい地域への訪問診療を含む総合的な妊産婦と子どものケア・サービスを提供することに焦点が置かれます。台風の影響を受けた地域には、国内で最も貧しいコミュニティも含まれていることから、こうした訪問診療では、女性と幼い子どもたちの栄養面の支援に特に配慮されたものとなります。

ビタミンA、鉄、葉酸のサプリメントと寄生虫駆除剤が配布されるほか、「スプリンクルス」と呼ばれる生後6ヵ月から4歳11ヵ月までの子どもたちを対象とした複数の微量栄養素が調合された錠剤を提供するプロジェクトは、支援の規模が拡大される予定です。幼い子どもたちと女性の栄養状態の検査も強化されることになっています。

汚水、不適切な環境、蚊の発生などによって引き起こされる二次災害を予防するため、トイレや下痢による脱水症を緩和する経口補水塩(ORS)、殺虫処理された蚊帳などを、貧しい人々と避難を余儀なくされた人々に提供します。また、人々が直面する健康面での高いリスクを知らせるための広告活動なども準備されています。

200以上の村で水の供給が絶たれ、下水道やトイレが機能していません。この分野の復興支援活動は、ユニセフが主導的な役割を果たしている水と衛生事業(WASH)分野での最優先事項です。90校以上の学校の水場とトイレの復旧活動も同時に行われます。木造の古い校舎は、洪水による被害が深刻で、2万1,000人以上の小学校生のために、校舎の再建や修繕も実施される予定です。

また、子どもや弱い立場の人々が洪水によって受けたトラウマなどへの支援として、ユニセフは今回、およそ2万人の弱い立場の子どもたちとその家族のために、社会心理的な支援と生活技術を教えるために必要な人員を確保するための資金や活動資金を要請しています。

台風がラオスを襲ってから数週間が経ちました。この間、ユニセフは、他の国連機関などと協力して、最も被害の激しかったコミュニティへの緊急支援活動を行うため、食糧や水、衛生状態の改善などに必要な支援物資を被災地に急送しました。また、ラオス政府や他の開発支援団体などと共に、保健面や農業面での支援、インフラの復興や生活必需品の提供などを行っています。

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