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フィリピン:台風13号の被害を受けた子どもたちへの支援【2010年10月22日 フィリピン・マニラ発】
10月18日、超大型台風ジュアン(国際名メギ)がルソン島北部を直撃。台風は過ぎ去りましたが、特に、イサベラ州が深刻な被害を受けました。 台風上陸の翌日、ユニセフは、被災地の調査・査定を行うため、保健、栄養、水と衛生、教育、子どもの保護に関する専門家チームを被災地に派遣しました。このチームは、支援の第一弾として、避難所や仮設教室の設置の準備、学校用品や保健センターへの必須医薬品の提供などを行いました。 今回の支援は、ユニセフが以前から特に重点を置いて支援活動を行っている地域のひとつ、イサベラ州の地方政府からの要請を受けて実施されました。超大型台風が最初に上陸した東海岸のこの州は、時速250キロもの強風に襲われました。これまでに、イサベラ州北部の90パーセントの学校が全壊し、同州の他の地域でも多くの建物が被害を受けたことが確認できています。
被災地を訪れた調査チームの報告によると、イサベラ州で台風の被害を受けた住民は、29万7,000人の子どもを含む69万1,000人以上の住民(15万4,171世帯)にのぼると見られています。民家90万棟以上、学校132校、4つの国立病院が全半壊。海沿いの3都市(ジビラカン、マコナコン、アプラナン)では、建物の90パーセントが壊滅的な影響を受けたとのことです。約5,000世帯(計3万人、そのうち子どもは1万2,900人)が、この3つの地域に留まっているものと見られます。 今回の調査報告を受け、ユニセフは、最も甚大な影響を受けたこの3つの海岸地域に、次にあげる品物をはじめとする緊急支援物資を急送しています。
・教育分野での支援
・水と衛生分野
・保健分野 心のケア
ユニセフの「子どもの保護」チームは、台風の影響を受けた子どもたちの心理的なケアを行うため、避難センターに「子どもに優しい空間」を設置すべく、被災地の状況把握を続けています。 超大型の台風がフィリピンを襲ってから2日たった後も、170箇所の避難センターでは、21万世帯の人々が避難を余儀なくされていました。生活を立て直すため、家屋の修復のため、自宅に戻る人もいることから、この数は今後数日のうちに減少するものと見られます。今回、早期警戒警報システムが稼動したため、この台風による死亡者数は現在19名と、当初の推定を下回っています。 フィリピン政府は、現在東部で発達し、今回の台風ジュアンと同じ地域を通過する可能性のある新しい熱帯低気圧の動きを、注意深く監視しています。 |