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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

ソロモン諸島 過去最悪規模の洪水発生
集中豪雨で5万2,000人が被災
日本ユニセフ協会10万米ドルを支援

【2014年4月9日 フィジー発】

過去最悪規模の洪水がソロモン諸島で発生。
© UNICEF New Zealand/ 2014
過去最悪規模の洪水がソロモン諸島で発生。(4月5日撮影)

過去最悪規模の洪水がソロモン諸島で発生し、多くの人が避難生活をおくっています。現地の被害状況やユニセフの活動についてお伝えします。

数字で見る概況

  • 被災した人:5万2,000人、うち2万4,410人が子ども
  • ガダルカナル島ホニアラで避難生活をおくる人:9,022人、24の避難所に避難
  • 被災した学校:41校
  • ユニセフ必要支援額:40万米ドル※
    (※約4,120万円、1米ドル=103円で換算、現地調査後変動の可能性あり)

概要

  • ガダルカナル島にある首都ホニアラならびにマキラ(Makira)で4月3〜5日に起きた集中豪雨により、大規模な洪水と被害が発生し、避難者が発生
  • ホニアラは、住宅地、商業地ともに被災、現在は行方不明者の捜索が続く
  • 支援は届き始めているものの、水と衛生の環境は悪く、病気に感染する人が増えている
  • 全土において、生活圏ならびに農場が泥や水をかぶり、収穫と家畜に大きな影響。水とトイレ施設も不足
  • 3つの橋が損倒壊し、いまだ水が引かない状況下において、移動には制約があるものの、即応調査を実施中
  • 政府や二国間支援、国連、NGOなどから第一段階の支援が届いているが、今後は下痢の増加などが懸念
  • 市の水道システムも被害を受け、家庭や学校、井戸、表面水や雨水システムなども損倒壊
  • 現在、主に支援が必要なのは避難所の管理、食糧、安全な水、トイレ、衛生物資、保護サービス、下痢やデング熱、急性呼吸器感染症、目や皮膚の感染症への保健サービス
  • その他、毛布や衣類、粉末状の微量栄養素、鉄、燃料、調理器具、学校の再開支援が必要とされている

現地の様子

  • ホニアラの空港は6日に再開、港は船・ボートの発着可能
  • ガダルカナル島では、ホニアラの被害が最も深刻
  • マライタ島やイサベル島でも、畑やプランテーション、水源が被害に
  • 当初避難していた1万2,000人は 9,022人まで減少
  • 4月7日時点で、ホニアラ市内では25の避難所が開設されている
  • 子どもの死亡者は出ているものの、家族とはぐれたという子どもは確認されていない

ユニセフの活動

© UNICEF Pacific/ 2014

<水と衛生>

  • 避難者9,000人が、安全な水とトイレ、衛生用品が緊急に必要な状況
  • ソロモンの水道局は復旧を始めたものの、部分的な稼働であり、わずか40%
  • ホニアラやガダルカナル島のほかの地域での水道設備へのダメージはまだ調査が行えず、詳細は不明
  • ガダルカナル島全体で4万人が被災、15の避難キャンプがあるものの、他の地域へのアクセスは困難
  • 道路が悪く橋も壊れたため、海路での移動をするためにボートが必要
  • ソロモン当局やNGOなどとともに浄水を運搬しているものの、対応に制約がある
  • 9の避難所で屋外排泄が確認されており、公衆衛生の悪化が懸念される

<教育>

  • 少なくとも12校が避難所になっており、この数は増える可能性
  • 被害を受けた学校は少なくとも23校
  • 学校の多くは長期休暇中であったものの、現状では、4月14日からの新学期の開始が厳しい見込み
  • 建物への被害のほかにも、水道やトイレへの被害、備品や学用品の流出などの問題も
  • テントや防水シートを提供しているが、追加の支援物資がフィジーから4月12日までに到着予定

<保健/栄養>

  • 下痢や急性呼吸器感染症、結膜炎の感染が増加し、デング熱のリスクも高い
  • 離乳食の配布にあたってのアドバイス、母乳育児の推奨、保健メッセージの発信も行う
  • はしかの予防接種キャンペーンが必要
  • 一部の病院は損壊などで機能していない
  • 医療物資は、国の倉庫にあるものの、すでに必要量に足りていないものも
  • 政府やNGOなどにより、食糧や調理用の燃料などの提供も始まっているが、ニーズには間に合わない状況

<保護>

  • 政府は行方不明者や遺体の捜索活動を実施
  • 赤十字や他のパートナー団体が、避難所で避難者のアップデートや確認を実施中
  • 避難所の運営・管理方法のドラフトが完成
  • 避難所では、安全や清掃を含めた衛生管理が行われ、移動型の保健サービスもあるものの、運営が問題

<体制>

  • ホニアラの事務所の体制は11名 チーフ1名、子どもの保護官2名、教育担当2名、予防接種・物流1名、妊産婦と子どもケア1名、広報1名、総務3名、追加で水と衛生のスタッフが加わる予定
  • このほか、応援で水と衛生、保護、広報、教育などの分野で着任見込み

<その他>

  • オーストラリア政府が橋の修復に技術者2名を派遣など

* * *

公益財団法人日本ユニセフ協会は、緊急支援に備えて設けている臨時拠出積立金より、ソロモン諸島での洪水による人道支援のために10万米ドルの拠出を行い、現地での活動を支援します。

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