ソロモン諸島 過去最悪規模の洪水発生
地震の影響で支援活動にも遅れ
【2014年4月14日 フィジー発】
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© UNICEF Pacific/2014 |
ソロモン諸島では、洪水により甚大な被害が出ている。 |
過去最悪規模の洪水がソロモン諸島で発生し、多くの人が避難生活をおくっています。現地の被害状況やユニセフの活動について最新の情報をお伝えします。
数字で見る概況
- 被災した人:5万2,000人、うち2万6,000人が子ども
- ガダルカナル島ホニアラで避難生活をおくる人:1万653人(うち、4,000人が16歳未満)
※当初は1万2,000人が避難(前回報告では9,022人だったが、約1,500人増加)
- ホニアラ市内の避難所:33カ所(前回報告より9カ所増加)
- 被災した学校:41校
- ユニセフ必要支援額:40万米ドル※(※約4,120万円、1米ドル=103円で換算、変動の可能性あり)
概要
- 過去数日内に、ソロモン諸島でM7.2と7.7の地震が発生し、津波避難警報が出たが、津波は発生せず
- 調査では大きな被害は確認されていないものの、住民が2回避難したことから、支援活動に遅れ
- ホニアラは、住宅地、農地共に被災
- 特にガダルカナル、マキライラワ、マライタでは水源を含むインフラが被害、農業に影響
- 橋が損壊しており、移動やアクセスに支障があるものの、修理も開始
- 電力と水道設備の一部は復旧したものの、多くの人はトラック運搬による水や浄水剤を使用
- 現在、最も課題となっているのは避難所の運営管理、食糧、浄水剤を含む水、トイレ、衛生用品、保健サービス(下痢やマラリア、デング熱、呼吸器感染症、目や皮膚の感染症への治療)、カウンセリングサービス、社会的弱者の保護、毛布、微量栄養素、鉄材、燃料、調理用品、学校の修復
- 政府は、自宅への“帰還パッケージ”として家族と家畜用に33アイテムを選定
- 今後3カ月の人道支援計画を策定中
現地の様子
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洪水で自宅を失い、避難所で生活を送っている家族。 |
- ホニアラの空港は6日に再開、港は船・ボートの発着可能
- ガダルカナル島では、ホニアラの被害が最も深刻
- マライタ島やイサベル島でも、畑やプランテーション、水源が被害に
- 4月7日時点で、ホニアラ市内では25の避難所が開設されている
- 子どもの死亡者は出ているものの、家族とはぐれたという子どもは確認されていない
ユニセフの活動
<水と衛生>
- 避難者が必要としているのは、安全な水(質、量とも)トイレ、衛生用品
- 水とトイレの設備の調査を行っているが、農業用を含め、水源が汚染されている例も確認されている
- 避難所周辺や住民が戻り始めた地域では、屋外排泄が確認されており、衛生環境の悪化を懸念
- ユニセフは、ソロモン諸島以外の地域(バヌアツ)などでも石けんや浄水財などを調達、配布
<教育>
- 少なくとも15校が避難所になっており、この数は増える可能性
- 被災を受け、新学期の開始が遅れている
- 校舎だけでなく給水設備やトイレも壊れ、備品などが流失している状況
- ユニセフは「箱の中の学校」や防水シートなどの物資を提供
<保健>
- 下痢と呼吸器感染症、結膜炎の感染が増加との報告
- 蚊帳の配布や薬剤の配布などの対策をしたものの、デング熱とマラリアの感染リスクは高い
- WHOとユニセフは、はしかの緊急集団予防接種キャンペーンを計画しており、資金を交渉中
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避難所で、ユニセフの支援物資である水と衛生キットの配給を行うスタッフ。 |
<保護>
- 赤十字や他のパートナー団体が、避難所で避難者のアップデートや確認を実施中
- 避難所から帰宅した人は一部でいるものの、多くは避難したまま
- 避難所、安全や清掃を含めた衛生管理が行われ、移動型の保健サービスもあるものの、運営が問題
- ホニアラ市当局は避難所の数を10以下にしたい意向
- ユニセフは、教育分野と共同で、被災地の学校で緊急サービスとして保護と学習を提供する計画
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公益財団法人日本ユニセフ協会は、緊急支援に備えて設けている臨時拠出積立金より、ソロモン諸島での洪水による人道支援のために10万米ドルの拠出を行い、現地での活動を支援します。
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