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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

南スーダン:
戦闘でベンティウの国連施設への避難者倍増
水が圧倒的に不足

【2014年4月22日 南スーダン・ジュバ発】

マラカルにある国連施設で、水を運ぶ避難民の男の子。
©UNICEF/NYHQ2014-0424/Kate Holt
マラカルにある国連施設で、水を汲みに向かう避難民の男の子。(3月30日)

先週ベンティウで民族による攻撃が発生し、攻撃対象となった何万人もの人々は、国連施設内に避難。避難者であふれかえる国連施設内では、1日わずか1リットルの安全な水しか提供できてないことをユニセフは発表しました。
(※注釈:飲用、衛生用、調理用を含め、1日当たり必要な最低限の水の量は15〜20リットル)

ユニセフは、先週国連施設内に避難した人は1万人以上で、現在、施設内に避難している人は2万3,000人に上ることを明らかにしました。混乱した情勢が続き、雨季も始まったことから、緊急人道支援には、極めて厳しい負担が生じています。

ユニセフ・南スーダン事務所代表のジョナサン・ヴェイチは「恐ろしい暴力を生き延びた人々は、水に起因する感染症の発生という新たな危険にさらされています。子どもたちは耐え難く、そして言葉にできないほどの暴力に直面しています。安全であるべき場所で、子どもたちをこれ以上、苦しませてはなりません」と述べました。

不安定な情勢下、阻まれる人道支援

不安定な情勢の中で、毎日キャンプへ新しい水を運搬してくるトラックは、大雨による泥まみれの道路で立ち往生することもしばしばです。雨により、キャンプ内のトイレは多数故障、現在では、350人でひとつのトイレを使わざるを得ません。ユニセフの人道支援パートナー団体の多くも、治安情勢を受けて現場を去らねばならない状況です。

ユニセフのスタッフは、ベンティウに留まり、緊急ニーズに即対応し、給水用の新たな掘削孔を掘り、新たなトイレ建設用の部品を空路で輸送しています。しかし、資金が不足し、アクセスの難しさから、ユニセフは人道支援に大きな障害が生じていると強調しています。

ユニセフは、この紛争に意思決定や指揮をするすべての人々に対し、子どもを守り、人道支援のために安全なアクセスを確保することを、要請し続けています。南スーダンでは、紛争により、100万人以上が国内外で避難生活を送っています。

■参考情報
4月1日現在、国内避難民は80万3,200人、周辺国へ逃れ難民となった人は25万4,600人に上ります(ウガンダ8万1,345人、エチオピア6万9,456人、ケニア2万5,099人、スーダン4万2,011人)。難民となった人の86%は女性と子どもで、厳しい環境下での生活により、栄養不良や感染症にかかりやすくなります。

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