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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

南スーダン:
上ナイル州で新たに3〜4万人が避難
ベンティウ、ボルでも緊張続く/ユニセフ情勢レポート

【2014年4月28日 南スーダン・ジュバ発】

マラカルの国連施設のテントに身を寄せる子どもたち。
©UNICEF/NYHQ2014-0425/KATE HOLT
マラカルの国連施設のテントに身を寄せる子どもたち

緊迫した状況が続く南スーダンでは、避難民の数も増加しており、緊急の支援が求められています。ユニセフの情勢レポート(2014年4月22日〜28日)から、最新の情勢とユニセフの支援活動を報告します。

数字で見る概況

  • 昨年12月15日以降、自宅を離れ避難生活を送っている人 92万3,000人
  • 上記のうち、18歳未満の子ども 49万3,572人
  • 上記のうち、周辺国へ避難した人(含・子ども)
    29万3,392人
  • 国内で支援を必要としている人のうち、支援を受けている人の割合 16%(10人のうち約2人)
  • 2014年上半期に必要な人道支援額 7,510万米ドル(約76億6,020万円、1米ドル=102円で換算)

出典:OCHA 2014年4月25日発表

各地の情勢

  • 上ナイル州で緊迫した状況が続き、4月23日に同州最北部のRenk Countyで激しい戦闘が発生
    未確認ではあるが、およそ3〜4万人が自宅を離れ、Renk Countyの南にあるMelutに向かっているとの情報
  • 西部の西バハル・アルガザール州のWauでも戦闘が発生したが、犠牲者の数などは不明

<ベンティウ>

  • 緊張が続き、国連施設内への避難者は増加の一途
  • ユニセフとパートナー団体は、ベンティウの国連施設内で2万2,500人を支援
  • 一人あたりに供給される水の量は、1日当たり6.5リットルまで増加(先週は2リットル、ただし1日に飲料・調理用・生活用に必要な最低限の水の量は最低15リットル/水洗トイレ1回あたりに使用する水の量は節水型でも5リットル)
  • トイレの設置も進み、トイレ1基あたりの使用人数は317人から129人まで減少
  • ベンティウへの物資(医薬品や水と衛生物資)の空路輸送は、大雨で空港が使用できず延期
  • 新たな避難民が到着し、前週に比べ医療相談に来る人が55%増加、負傷者の治療用のテント3張を増設

<ボル>

  • ボルでも、ユニセフは水と衛生の支援を実施、国連施設内にいる5,000人に水を提供
  • 大雨により、一部のトレイが損壊

支援活動の概略

<ハイライト>

  • 南スーダン国内で紛争の影響を受けていない7つの州で、4月23日より、保健省とWHOとともに、ポリオ・はしか・ビタミンA投与(免疫力向上のため)を行う、第一回目の接種・投与キャンペーンを開始、5歳未満240万人を対象
  • ユニセフはワクチンの調達、輸送、保冷に必要な資材の調達、啓発・広報活動のほか、計画・準備段階における技術的指導を担当

<新即応メカニズム>

  • ユニセフはWFP、FAOと共同で支援体制=新即応メカニズムをつくり、複数分野にわたる(水と衛生、保健、栄養、教育、子どもの保護)遠隔地での支援活動を拡大
  • 設置目標24カ所のうち、現在7カ所が設置済み
  • 設置された場所では、子どもの栄養状態が診断されるほか、ポリオやはしかの予防接種、ビタミンAや虫下し剤の投与、病気(子どもの罹患が多い病気:マラリア、下痢、肺炎)の治療、妊産婦ケア、臨時学習スペース、幼児向けのおもちゃや『箱の中の学校』などを提供、また家族とはぐれたり、行方不明の子どもの確認と登録作業を実施、マラリア予防のための殺虫処理済みの蚊帳も提供

<栄養>

  • 今年1月以降、栄養不良と診察された子どもは34万4,557人
  • 雨季は作付け期だが、戦闘悪化や避難で作付けができない場合、重度急性栄養不良になる子どもが急増する恐れ

<水と衛生>

  • 避難所に給水設備やトイレを設置しているほか、場所によってはトラックでの運搬も
  • 浄水剤や消毒用の塩素、塩素、石けん、衛生用品なども配布
  • 衛生環境の悪化を防ぐために、ごみや廃水、排せつ物の処理方法を啓発し、衛生習慣を普及
  • ごみなどが適切にまたは戦闘などで処理されないと、生活環境が劣悪になり、病気が集団発生する恐れあり

<教育>

  • これまでに、学齢期の子ども1万6,718人が緊急下の教育プログラムに参加
  • 臨時学習スペースや屋外へのテントの設置などを進めている

<子どもの保護>

  • これまでに、2万5,855人の子どもが保護サービスを受ける
  • 子どもが安心して過ごせ、遊ぶことができる「子どもにやさしい空間」を設置し、心のケアを実施
  • 戦闘激化に伴い、保護のニーズは高まる一方
  • ボルとベンティウでは戦闘激化で、新たに63名の子どもが家族とはぐれた状態で、状況を確認中、領地ではぐれている子どもはのべ184人(9名が里親のもとへ、5名は家族のもとへ)
  • 国連施設内と避難所、施設外に避難している子どもたちを確認したところ、新たに135名が家族とはぐれていることを確認、計3,501人が家族とはぐれていることに(これまでに268人が国内で家族と再会し、350人が家族や親族と電話で連絡がつき、650人が里親のもとへ)

<ロジスティックス>

  • 紛争下にある地域には、主に空路で物資を搬入しているが、使える状態の機体も少なく、空港の状況も悪い
  • 現在倉庫を5カ所に設置、さらに設置したいが治安が悪く略奪の恐れがあるため実施できず
  • 雨季の開始と戦闘激化で、ロジスティックスはさらに困難に

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