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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

南スーダン:
重度栄養不良の女の子
5日間の治療で見違える姿に

【2014年7月10日 ジュバ(南スーダン)発】

7月3日、最初に南スーダン・ジュバの病院を訪れたときのメアリーちゃん。重度栄養不良に陥っていた。
© UNICEF/SOUTH SUDAN/ JAMES ELRINGTON/2014
7月3日、最初に南スーダン・ジュバの病院を訪れたときのメアリーちゃん。重度栄養不良に陥っていた。

南スーダンでは緊迫した情勢が続き、約150万人が自宅を離れて避難生活を送っています。栄養不良の子どもたちの治療を行う病院を訪れた、ユニセフ・南スーダン事務所ジェームス・エリントン広報官による報告です。

* * *

現在、南スーダンでは何千人もの5歳未満の子どもが重度の栄養不良に陥っており、壊滅的な飢餓による大惨事が迫っています。ユニセフとパートナー団体は、子どもたちが栄養不良に陥る前に支援をするため、遠隔地にも赴き、国中で栄養不良の子どもたちの治療を行っています。南スーダンの首都ジュバに位置する、ユニセフが支援する小児病院では、重度急性栄養不良の子どもたちの治療が行われています。私が出会ったメアリーちゃんも、この病院で治療を受けていました。

重度栄養不良に陥り、泣き続けていたメアリーちゃん。
© UNICEF/SOUTH SUDAN/ JAMES ELRINGTON/2014
重度栄養不良に陥り、泣き続けていたメアリーちゃん。

病院で泣き続けていたメアリーちゃん

2014年7月3日、ユニセフが支援するサッバーフ小児病院で、重度急性栄養不良の一形態であるクワシオルコルを発症して治療を受けているメアリーちゃんに会いました。重度急性栄養不良のほとんどの場合、すぐに口にできるペースト状の治療食を提供し、通院治療を行うことで回復に向かいます。しかし、メアリーちゃんのようにクワシオルコルを発症している場合には、病状が改善するまで入院して緊急のケアを受ける必要があります。

メアリーちゃんは極度に衰弱しており、体液が溜まって皮膚が張り、身体全体がむくんでいました。ひどい痛みを伴うため、メアリーちゃんは私がそこにいる間中、ずっと泣いていました。苦しんでいるメアリーちゃんを、私は胸が張り裂けそうな思いで見守っていました。

たった5日間の治療で病状が改善

5日後の7月8日、治療用ミルクと合併症の治療を受けて回復に向かっているメアリーちゃん。
© UNICEF/SOUTH SUDAN/ JAMES ELRINGTON/2014
5日後の7月8日、治療用ミルクと合併症の治療を受けて重度栄養不良から回復に向かっているメアリーちゃん。

5日後の7月8日、私は再びサッバーフ小児病院を訪れました。そこで目にしたのは、メアリーちゃんの素晴らしい回復ぶりでした。病院に連れて来られた日から治療用ミルクと医療ケアを受けたメアリーちゃんの病状は、たった5日という短い期間で、見違えるほど改善していました。

子どもは栄養不良に陥ると、身体が衰弱し、元気で健康な時には決して感染することのない、多くの病気にかかりやすくなります。しかし、重度急性栄養不良に陥った子どもたちに専用の治療用ミルクを与え、合併症の治療を行うという極めて簡単に施せる治療法で、メアリーちゃんの小さな体は、病気と闘うための力を再び取り戻すことができたのです。更に数日間治療やケアを受けることで、メアリーちゃんは間もなく自宅に戻れるでしょう。

ユニセフとパートナー団体は、栄養不良や命に危険のある病気から子どもたちを守るため、たどり着くことが容易でない人里離れた地域で支援活動を行っています。そして、メアリーちゃんのような子どもたちに支援を届けるため、緊急に更なる資金を必要としています。

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