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スリランカ:引き始めた洪水−子どもたちへの支援を続けるユニセフ【2011年1月18日 スリランカ・バッティカロア発】
洪水発生から一週間が経過。スリランカ東部は、依然として深刻な状況が続いています。ほとんどの道路が、いまだにほぼ通行不可能な状態です。農村部の村に行くには、ボートを使わなければなりません。 バッティカロア近郊のこの村の住民は、6日間を過ごした高台にある避難所から自宅に戻り始めています。被災者の多くは、長年にわたる武力紛争と2004年に発生した津波を経験など、多くの苦難を既に味わってきた人たちです。その人々が、今また、洪水被害に見舞われているのです。 どうしたらいいのか・・・ユニセフから来た私たちが出会った人々は、自宅が全半壊してしまったことを直前に知ったばかりでした。 「ベッドも敷布も調理器具も、全ての家財道具を失いました。」祖母のカンナカイさんは話します。「とても寒いわ。家は全壊。畑もめちゃくちゃよ。どうしたらいいのかしら・・・。」 孫娘のヴィシュサリニちゃん(13歳)とジェエヴィタちゃん(7歳)は、汚染された井戸の近くから水をくんできて、その水を沸かして飲み水にする手伝いをしています。乾いた薪を集めるのは至難の業です。 懸念される被災者の健康状態
3人のスリランカ人医師が、大きなトランクに一杯の医療品を持って、孤立した村々をボートで回っています。ナアシヴァンティヴ村の学校には、1,000人以上の人々が避難していました。この学校は、(2005年の)津波の後にユニセフの支援によって建てられたものです。 医師たちは、この移動診察を通じて、呼吸器疾患や下痢性疾患が増加していることが分かったと話します。ユニセフは、特に5歳未満の子どもたちの栄養状態を注視し続けています。 「洪水が発生する以前から、栄養不良の割合は高かったのです。」ユニセフのクルパイラジャ・ゴウリスワラン保健・栄養事業担当官は話します。「この洪水の影響で、栄養不良の子どもたちの割合が増えることが懸念されています。」 支援活動
ユニセフ・スリランカ事務所は、住む場所を失った人々のニーズに応えるべく、洪水被災地域で支援活動を展開し、これまでに、容量1,000リットルの貯水タンクや敷布などの物資を配布。ユニセフが配布した敷布は、学校に避難を余儀なくされている人々の苦痛を和らげています。 同様に配布されている緊急用衛生キットには、石けん、歯磨き粉、タオル、その他の家庭用品、調理用具等が含まれています。また、ユニセフは、洪水被災地の高台にトイレを設置しています。 復興への困難な道のりしかしながら、被災者が置かれている状況は、かつての「日常」からは程遠い状態です。避難所になっているある学校では、11世帯の家族が一つの教室の中にぎゅうぎゅう詰めになって暮らしています。人々は、自宅はまだ水に浸っていて帰ることができず、所持品も全て失ったと話します。 推定36万7,000人の人々がこの洪水によって避難を余儀なくされ、スリランカ全土の12地区に設置された臨時避難センターでの生活を強いられています。2週間以上続いた豪雨で溜まった水も、少しずつ引き始めています。しかし、ユニセフが現地のパートナー団体などと共に展開している大規模な支援活動は、まだ始まったばかりです。 |