【2017年12月19日 東京発】
アフリカの教育支援にご協力いただく毎月の募金プログラム『ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム スクール・フォー・アフリカ』。現在、日本の皆さまからのご寄付は、ブルキナファソの教育支援のために、大切に活用されています。
2017年12月19日、ユニセフ・ブルキナファソ事務所で教育担当官として勤めている堀井健士氏が、2017年度に日本の皆さまのご寄付で実現した教育支援の成果について、報告を行いました。
日本の皆さまからのご寄付により、現在、ガンズルグ州、ナメンテンガ州、サヘル地方の3地域で教育支援が行われています。「スクール・フォー・アフリカ」を通じた支援は、ブルキナファソの中でも小学校の就学状況が遅れている地域から支援を行っています。
ユニセフは、ブルキナファソの首都ワガドゥグから近く、モニタリングが行いやすい地域として、ナメンテンガ州、ガンズルグ州を最初に選定しました。その後、ブルキナファソの北部にあり、隣国マリとの国境沿いにあるサヘル地方にも支援を拡大しました。
サヘル地方は、治安が不安定な状況で就学状況が最も遅れている地域であり、現在、半数の子どもたちが小学校に就学することができないため、ユニセフは現在、サヘル地方を中心に教育支援を行っています。さらに2018年からは、西部地方にも支援を拡大していく予定です。小学校の就学率・修了率が各地域で異なるのは、文化的な要因や貧困などが理由として上げられます。
日本の皆さまからのご支援により、2017年度中に下記の教育支援を子どもたちに届ける事ができました。
これらの支援によって、19万8,047人(女子9万2,720人) の子どもの学習環境が改善されました。
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©UNICEF/Burkina Faso |
報告会の後半では、支援者の皆さまからのご質問に堀井氏が回答いたしました。
Q:学校は何歳から何歳の子どもが対象でその上の高等教育、もしくは、就職等の活動へのサポートも今後計画があるのか、あればどのような計画か教えてください。
A:ブルキナファソの学校制度は、以下になります。
©UNICEF/Burkina Faso |
ブルキナファソでは、初等教育と前期中等教育(中学)が基礎教育とされているので、ユニセフも初等教育、前期中等教育を中心に支援活動を行っています。また、教育省とともに、職業訓練を学ぶことができる職業訓練校の支援も行っています。
Q:公用語であるフランス語を学校で学び、読み書きができるようになることは子どもたちにとって、どのようなインセンティブがあるのですか?
A:首都に住んでいるような子どもたちにとっては、日常的にフランス語を使う機会があり、(フランス語を学ぶ)大きなインセンティブがあります。また、そういった地域は、子どもたちの就学率も高いです。
一方で、北部のサヘル地方のような地域は、遊牧民なども多く、例えば、母親だけが村に残って、父親と息子は、季節によって家畜の草を求めて、色々なところを転々としている生活を送っている子どもたちもいます。そういう子どもたちは、家庭やコミュニティではフランス語を全く使わないので、(フランス語を学ぶ)インセンティブはありません。しかしながら、病院に行きたい、家畜が病気になったので治療方法を知りたい、今年、遊牧に適している地域を知りたいなどの問題に直面したときに、フランス語ができることは力になってくると思います。
60以上の民族が混在しているブルキナファソでは、情報を得るためには、公用語であるフランス語が必要です。さらに、フランス語がわからないと、算数を学べないので、例えば、(家畜の)羊の売り買いをするときも計算ができないといった弊害もあります。そういった弊害を断ち切ることを目指しているのが教育支援です。
Q:校舎の建設などハード面の支援だけでなく、教員養成の支援をユニセフは行っているのですか?
A:教員養成の支援は、ユニセフは常に行っています。ブルキナファソ国内の教員養成校のカリキュラムの改善を提案したり、教員養成校の設備支援を行ったりしています。また、新しい教員を養成するだけなく、現役の教員を対象とした研修も行っています。教員の支援は、ユニセフにとっても最も中心的な支援の一つです。
ユニセフは、2021年までにブルキナファソのすべての子どもたちが小学校に通い質の高い教育を受け、卒業できるように、今後も皆さまからのご支援のもと、支援を継続していきます。今後も『ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム スクール・フォー・アフリカ』を通じて、あたたかいご支援をお願い致します。
大学卒業後、青年海外協力隊として西アフリカ・ベナンで2年間コミュニティ開発の分野で活動。修士号取得後、在ハイチ日本国大使館で草の根・人間の安全保障無償資金協力外部委嘱員を務め、その後在ベナン日本国大使館で専門調査員として政務・経済・広報文化事業を担当。2017年5月よりジュニア・プロフェッショナル・オフィサーとしてユニセフ・ブルキナファソ事務所で教育支援を担当。
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