【2019年12月26日 ケルン発】
子どもの権利条約が国連で採択されてから30周年になる今年、子どもにやさしいまち(CFC)サミットがユニセフとケルン市(ドイツ)の共同主催で、10月15日~18日の期間で開催されました。
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子どもにやさしいまちの取り組みは1996年に始められたもので、子どもの権利条約の内容を市町村レベルで具現化しようとするものです。このサミットには世界の250を超える自治体から市長、町長、専門担当官、子どもや若者など682人が参加しました。
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CFCに取り組む世界45ヵ国から市長・町長約100人も参加し、地方自治体の先駆的な取り組みを通じて、子どもの権利を推進するためにはどのようにするのが良いかなどが討論されました。
日本からも町田市から石阪丈一市長が町長・市長会議に、立本浩大さん(高校2年生)、海野愛乃さん(中学1年生)が子ども会議に参加しました。
今日、市や町に暮らす人の3人に1人は子どもで、2050年迄に世界の子どもの10人に7人は都市部に暮らすと予測されています。こうした予測にも拘わらず、世界の子どもたちは貧困や不平等、環境的危険、時には紛争に悩まされています。
この状況を1日でも早く打開すべく世界でCFCを展開する自治体の市長・町長が集まり、こうした市や町などが子どもにとってやさしいまちになるように協力していくため、本サミットが開催されました。
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サミットではCFCを世界に拡げる市長・町長宣言も発表されました。サミットに先駆け、世界各地の自治体の市長・町長が、電子署名も含め本宣言に署名しています。こうした自治体にはスペインのマドリード市、ドイツのケルン市、韓国のソウル市、インドネシアのスラバヤ市、ウクライナのオデッサ市が含まれます。日本でCFCの検証作業を実施している自治体(片山健也 ニセコ町長、及川秀一郎 安平町長、若生裕俊 富谷市長、仲川げん 奈良市長)もこの宣言に署名をしました。
今回のサミットの中でもこの宣言への署名式があり、石阪市長も含め閉会式に参加した60名以上の市長・町長が署名しました。事前の署名も含めると、160以上の自治体の市長・町長が本宣言に署名しました。
また閉会式の前日には参加の首長による円卓会議も開催されており、今後CFCの取り組みを他の自治体に拡げていくことを合意しました。
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CFCサミットでは子ども会議も開催されました。子ども会議には32ヵ国から65名の子どもたちが参加しました。CFCは子どもたちの参画がとても重要な構成要素であることは言うまでもありません。子ども会議に参加した子どもたちは、この取り組みに子どもたちがどう関わると良いのか等の活発な議論を交わしました。そして、こうした議論は、「Our Cities. Our lives. Our future.」と題された子どもの宣言として結実しました。
このCFCサミットの子ども会議に至る9か月の間に、160カ国以上の12万人を超える子どもたちが、この子どもの宣言の作成に協力しました。
この子ども宣言は、「もし子どもたちが、町長や市町であるなら、子どもにやさしいまちとは、こんな“まち”だと考える」と、まとめあげたものでした。この子ども宣言の内容は、子どもにやさしいまち町長・市長宣言に反映されました。
CFCサミット ユニセフ特設サイトーChild and Youth Manifest はこちら
このCFCサミットはとても盛況なものでした。開発途上国や先進国双方からの参加者が多く、SDGs(持続可能な開発目標)を意識した構成になっていました。今後私たちの暮らしが、安心で安全なものになるように世界中の自治体をベースに皆が力を合わせて取り組む事業であり、日本の自治体も積極的に取り組むことが期待されます。
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