【2017年3月 東京発】
日頃よりユニセフ(国連児童基金)や日本ユニセフ協会の活動にご支援・ご協力をいただいているみなさま、そして、東日本大震災にあたって多大なご支援やご協力を賜りましたみなさまに、心より感謝申し上げます。
©日本ユニセフ協会 |
日本ユニセフ協会は2011年3月11日の東日本大震災発生以来、「あらゆる自然災害で、もっとも困難な状況におかれてしまうのは子どもたち」というユニセフの緊急時対応指針に則り、世界の緊急支援活動に用いる「ビルド・バック・ベター(Build Back Better)」、すなわち「震災前より良い状況を創ることに繋がる支援を行う」という考え方の下、被災地で子どもたちや子どもを傍で支える方々のための支援活動を続けてまいりました。ユニセフが日本国内で支援活動を展開するのは、第2次世界大戦後の粉ミルクなどの学校給食支援以来、約半世紀ぶりのことでした。
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震災発生直後よりユニセフ本部と協議を重ね、世界各地でユニセフの支援活動に携わっていた日本人の支援専門家の被災地への派遣や、避難所などへの支援物資の提供から、この支援は始まりました。首都圏でも物資や燃料が不足する中、日ごろからご協力いただいている多くの企業や団体のご尽力、そして被災3県のユニセフ協会との協働により、支援物資だけでなく輸送手段も確保することができました。その後およそ半年の間に、私どもの活動は「緊急支援」から「保健・栄養」、「教育」、「心理社会的ケア」、「子どもの保護」そして「子どもにやさしい復興計画」を含む6つの領域に拡大しました。これらの活動のために、日本国内のみならず世界各国から、総額48億円を超える浄財も寄せられました。
ここに改めて、私どもの活動を支えてくださっている国内外のみなさまに、心より感謝を申し上げます。
支援活動を進めていくなか、私たちは深刻な現状を目の当たりにし、自然の大きな力の前では、人間はあまりにも小さく、無力であることをあらためて思い知らされました。同時に、各地で出会う子どもたちや人々の前向きな笑顔に感動し、みなさまの復興へ向けた力強い想いに勇気をいただき、人の力の計り知れない可能性を実感することの繰り返しでした。
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この3月で震災から6年。震災直後から続けてまいりました弊協会の支援活動は、2016年末をもって終了いたしました。しかしこれまでの活動は、各自治体や地元の専門家、NPOによって引き継がれ、これからも子どもたちを支えていきます。また、この約6年間の活動の中で得た経験や教訓は、すでに各地で今後への備えにも生かされはじめています。東日本大震災後も各地で様々な自然災害が発生する中、支援活動の中で制作した資料やツールは、私どもの活動が終了した後も、多くの方にご活用いただけるものと確信しております。さらに、ユニセフの海外の現場でも、日本の経験を参考にしたいという声に応え、情報・意見交換が始まっています。
日本ユニセフ協会は、今後も各県にあります県ユニセフ協会を窓口に、地域のみなさまと一層強くつながりながら、日本と世界の子どもたちのための活動を続けてまいります。今後ともご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
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