スタディツアー視察報告カンボジア スタディツアー報告 (2007年7月22日〜29日実施)4. 「子どもにやさしい学校」—すべての子どもが小学校に入学し、卒業することをめざす
「コミュニティ幼稚園」の就学前教育を受け、すべての子どもが小学校へ入学し、卒業するという目標をめざし、ユニセフはカンボジア政府と協力して、子どもたちが清潔な環境で、楽しく、積極的に学べる小学校づくりをめざす「子どもにやさしい学校(チャイルド・フレンドリー・スクール)」を支援しています。 私たちはプレイベン州でカンダク小学校、コンポントム州でクロン小学校、サンコール小学校を訪問しました。 「子どもにやさしい学校」には、安全な水が飲める設備(井戸や水のろ過器)や衛生的なトイレが設置されています。子どもたちが学校生活をおくる上で、なくてはならない設備で日本ではどこの学校にも設置されていますが、カンボジアでは当たり前の設備ではありません。
また、先生は子どもたちが積極的に学習するように工夫された教材などを使い授業をしています。先生の研修なども行われ、教育の質を高める取り組みが行われています。さらに、地域の人々によって構成される「地域サポーター」が学校運営を支援しています。
しかし、現在、学校の校舎や設備がすべての子どもを一度に受け入れることができないため、午前と午後の2交代制で授業を行っています。小学校の授業科目は「国語(クメール語)、算数、理科、社会の4科目です。十分な教育と訓練を受けた先生の人数もまだ不足しており、よりよい学校経営についての知識もまだ不十分な状況です。 カンボジアはポル・ポト時代に学校教育が廃止されました。学校の先生は大勢、命を奪われ、人数が激減しました。教科書や教材を含めた印刷物も失われてしまいました。その後の長い混乱と内戦の時代にカンボジアの教育の復興や、失われた人材の育成はきわめて困難でした。 「子どもにやさしい学校」は、カンボジアの子どもたちがよりよい小学校教育を受けることをめざして取り組みを進めていきます。
※1 カンダク小学校、サンコール小学校は、イオンのユニセフ支援を受けた小学校。 |