世界のともだち

スタディツアー視察報告

カンボジア  スタディツアー報告  (2011年7月24日〜31日実施)

5. 幼稚園教育の普及
カンボジアでは大人も子どもも
手を合わせてあいさつをする

カンボジアでは初等教育就学率は高く、男女の差も少なくなってきています。しかし、同じ学年を繰り返したり、途中でやめてしまう割合は長年、改善されていません。留年や退学を減らすためには、幼稚園教育の充実をはかることが鍵になると期待されています。幼稚園に通うことで子どもたちは小学校へ通うための準備ができ、退学が減るという成果をあげているからです。カンボジアには、一般の家庭で行われるhome-based 幼稚園、community幼稚園、公立の幼稚園、の3種類の幼稚園があります。カンボジアでは、子どもの20%しか幼稚園に通えていませんが、2015年までにこの割合を50%にすることを目標としています。今回は、家庭で行う幼稚園、コミュニティ幼稚園の2つを視察しました。

家庭で行う幼稚園

園内は子どもたちと先生たちで
すし詰め状態

家庭で行う幼稚園は、一般の家を利用した幼稚園で月1回2時間のみ行われています。公立の幼稚園の先生が訪問し、読み聞かせをしたり、文字や衛生についての知識を教えたりしています。そのほか、ボランティアの先生たち(園内では、先生とは呼ばず、お母さんと呼ぶ)が幼稚園の運営をお手伝いしています。実施の頻度も指導の質もコミュニティ幼稚園と比べるとまだ低いですが、将来的にコミュニティ幼稚園へ発展していくことが期待されています。

本の読み聞かせに集中する子どもたち
参加者が持参したぶんぶんごまで
遊ぶ子どもたち

コミュニティ幼稚園

コミュニティ幼稚園は、コミューンによって運営されている幼稚園です。コンポンスプー州のチャムカスレンコミュニティ幼稚園では、週5日、7時から9時までの2時間、行われています。3歳から5歳までの園児たち24名が通園し、研修を受けた先生が教えています。先生の月収は少ないため、コミューン評議会が補助金を出したり、村が収穫後にお米を寄贈するなどして協力しています。

子どもたちはみなお行儀よく椅子に腰掛けて、手洗いやトイレの歌を歌ったり、カードゲームをして遊んだりしていました。子どもたちはツアー参加者の先生たちが持参した紙飛行機やシャボン玉に戸惑いながらも楽しそうに遊んだり、一緒に歌を歌ったりして参加者たちと交流をもちました。

ジェスチャーをまじえた歌を披露してくれたコミュニティ幼稚園の園児たち
ツアー参加者が持参したシャボン玉で
遊ぶ子どもたち

<< 前のページへ戻る

目次

次のページへ >>

日本ユニセフ協会