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スタディツアー視察報告

カンボジア  スタディツアー報告  (2011年7月24日〜31日実施)

7. 水と衛生事業
今はほとんど使われていない伝統的なトイレ
使用後は消臭のために灰をかける

カンボジアでは、安全な水を使える人の割合は、都市部では81%、農村部では56%です。そして、適切な衛生施設を利用する人の割合は、都市部では67%、農村部では18%と低く、いまだに多くの人々が屋外で排泄しています。学校ではトイレの建設が優先されません。トイレがあっても不衛生だったり、水がないために使用不可、もしくは故障中のため使える状態にないところもあります。また、カンボジアでは砒素の問題も深刻で、砒素に汚染された地域は6州1607村におよび、約220万人が影響を受けています。

Taing Krouchコミューンのソムラット村の水と衛生環境を見学させていただきました。各家庭の外には大きな瓶が置かれ、瓶に雨水をためて生活用水に使っていました。ユニセフの支援でこの村の多くの家庭にはトイレが設置されましたが、水で流せるトイレはまだ多くありません。地面に穴を掘って周りをヤシの葉で囲んだだけの昔ながらのトイレも残っていました。トイレの設置で野外排泄が減り、周囲の衛生環境も改善されてきています。

茶色い川の中で水遊びをする子どもたち

ユニセフは、水質の調査や、トイレの普及、衛生習慣の啓発などに取り組んでいます。カンボジアでは、依然として5歳未満児の死亡率が高く、毎年、子どもの20%は下痢で亡くなっています。野外排泄による水の汚染は、下痢の原因となります。下痢を減らすための衛生対策として、トイレの使用や、石けんを使った正しい手洗い、歯ブラシの使用などを奨励したり、セラミックフィルターを用いた安全な水の提供など、簡単でなおかつ費用対効果の高い方法を用いて衛生対策を進めています。

雨水を貯めて使うための水がめ

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日本ユニセフ協会