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紛争で政府軍による子どもの兵士の徴用の停止を
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UNICEF/NYHQ2012-0887/SOKOL |
積木で遊ぶ元子ども兵士。解放されたばかりの子ども兵士の社会への復帰を支援する施設にて(中央アフリカ共和国) |
世界では、何千人もの少年少女が政府軍や武装した反政府勢力に引き込まれ、戦闘員や調理係、運搬人、伝達役やそのほかの仕事をさせられています。時に少年を含め、特に少女の場合、性的目的のために引き込まれているのです。
レーク事務局長は「軍隊による子どもの兵士の徴用を終わらせなければなりません。『子どもは兵士じゃない』キャンペーンによって、この問題へより多くの関心が寄せられるでしょう。兵士とさせられていた子どもたちがつらい経験を乗り越え、未来へ歩みだそうとするとき、ユニセフの支援はその子どもたちだけにとどまりません。紛争で引き裂かれた国家の傷を治すことにもなるのです」と述べました。
子どもを兵士として徴用している紛争当事者は、国連事務総長の「子どもと武力紛争」年次報告書の付録に記載されています。10年前、安全保障理事会はすべての当事者に対し、子どもを兵士として徴用することを停止・予防するために、国連とともに、期限を定めた行動計画を準備することを要請しました。これにより、安全保障理事会は、政府に子どもを軍隊に所属させないことを約束させ、この取り組みを実行するのに必要な支援を受けられるようにしてきました。
現在、子どもを政府軍の兵士として徴用している国は、8カ国(アフガニスタン、コンゴ民主共和国、チャド、ミャンマー、ソマリア、スーダン、南スーダン、イエメン)あります。過去3年間、これらのうち6カ国では、国連との間で行動計画が署名されました(2011年:アフガニスタン、チャド、2012年:南スーダン、ミャンマー、ソマリア、コンゴ民主共和国)。イエメンとスーダンは国連との協議を継続しており、軍隊に子どもの兵士を置かないと表明しています。
今後2年をかけて、子どもと武力紛争担当国連事務総長特別代表とユニセフ、国連、パートナーのNGOは、これら8カ国の政府が子どもの兵士を解放し、子どもたちが市民生活に戻り、また政府が子どもを兵士として徴用することを停止・予防する計画を完全に実施できるように、支援を倍増します。
支援には、技術的専門知識の提供のほか、行動計画実施への障壁を明らかにし、現場での取り組みにさらにリソースを提供することなどが含まれていまます。
本キャンペーンでは、報告書に記載された8カ国の政府軍が対象となりますが、国連は、武装勢力による子どもたちへの重大かつ残虐な違反行為を明らかにすべく活動を続けます。
「子どもは兵士じゃない」キャンペーンは、ルクセンブルグのアッセルボルン外務大臣が主催するイベントで発表されました。ルクセンブルグは、2013年1月から子どもと武力紛争に関する安全保障理事会の作業部会の議長を務めています(任期2年)。
アッセルボルン外務大臣は「子どもたちは、戦闘に参加させられ、戦争の道具となることを強いられています。これは、子どもたち自身が持つ生きる権利、健康でいる権利、教育を受ける権利、心身への暴力からか守られる権利といった最も基本的な権利への重大な侵害にほかなりません」と述べました。
ゼルーギ特別代表は「われわれは、これらの8カ国で子どもの兵士の徴用の停止・予防が実行されることを目指しています。そのためには、国際社会、地域機構、国連全体がこの目標完遂のために十分なリソースと知識を提供する必要があります」と述べました。
■参考情報
行動計画には、国連と当事国が署名します。国連事務総長の「子どもと武力紛争」年次報告書の付録に掲載された紛争中の国々が、そのほかの重大な侵害行為と同じく、子どもの兵士の徴用を停止・予防させるために、具体的かつ期限を定めた措置を実施するために国連が支援することを可能にします。
行動計画で要請されている方法には、軍が子どもを兵士として徴用することを禁じる命令を発行すること、子どもの兵士の徴用を犯罪とすること、軍隊からすべての子どもを解放すること、兵士だった子どもたちが市民生活に戻るためのプログラムを作ること、兵士への勧誘にあたっては年齢確認システムを取り入れること、出生登録システムを強化することなどが含まれます。以上の方法は、通例であり、上記だけに限定されるものではありません。
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