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公益財団法人日本ユニセフ協会

資料・刊行物 プレスリリース

第3回ロマサミット開催
子ども最優先でロマの社会への受け入れを
3カ国のロマの子どもの報告書を発表

【2014年3月31日 ブリュッセル・ジュネーブ発】

© UNICEF/CEECIS

4月4日にブリュッセルで開かれる第3回ロマサミットの前夜に当たり、ユニセフはヨーロッパ諸国の政府に対し、ロマを社会に受け入れる政策の中心に子どもをしっかりと据えることを求めます。

ヨーロッパ全域で、ロマの子どもたちの権利が認識され、進展してきました。しかし、本日ユニセフが発表する要約報告書『ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア・旧ユーゴスラビア共和国、セルビアにおけるロマの子どもと女性の権利の認知(原題:Realizing the rights of Roma Children and women in Bosnia and Herzegovina, the former Yugoslav Republic of Macedonia and Serbia)』では、多くのロマの少年少女が依然として極めて貧しく、社会から疎外され、差別されていることが明らかになっています。

ユニセフ中部・東部ヨーロッパ、独立国家共同体地域(以下、CEE/CIS)地域事務所代表のマリー・ピエール・ポワリエは「今こそ、ヨーロッパ諸国の政府は、すべてのロマの少年少女への義務を果たすときです」と述べました。今年が国連子どもの権利条約の25周年であることから、これまでに達成できたことと今後の課題を明らかにする機会であるとも強調しています。

ポワリエ代表は「義務を政策として実現する必要があります。ロマの子どもたちに直接的に活用できる資金があれば、子どもたちは自らのすべての可能性を自分のものとできるようになります。今、最優先すべきは、分散している子どもに関するデータを集約することです。よりよいデータがあれば、地方と中央それぞれで、よりよい政策とモニタリングを実行できます」と述べました。

要約報告書は、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア・旧ユーゴスラビア共和国、セルビアの3カ国で初めて、分散していたロマの子どもに関するデータが集計され、公開されたことを明らかにしています。

「3カ国での力強い取り組みを称賛します。他国政府やパートナーに、これらの例に倣うことを求めます」とポワリエ代表は続けました。

ユニセフは3カ国で集計されたデータを分析して要約報告書として発表しました。ただちに政策として実現することが強調されている分野は、以下の通りです。

● 栄養不良に終焉を

ボスニア・ヘルツェゴビナでは、国平均では、1歳児の10人にひとりが年齢に対して身長が低いが、ロマの子どもの場合、5人にひとりに上る

● 3カ国とも、女性と子どもへの保健ケアサービスと情報へのアクセスを確保すること

ロマの子どもは国内平均と比べて、出生児に低体重になりやすい傾向にある

● 就学前教育と学習への受け入れの増強と拡大を

セルビアでは、3〜4歳の子どもたちは国平均では44%が就学前教育を受けているが、ロマの子どもはわずか8%にとどまる

● 家族支援サービスを提供し、母親と父親が等しく子育てをするように働きかけを

セルビアでは、中等教育や高等教育を受けたロマの両親は、教育を受けていないロマの両親の子どもに比べ、2倍も子育てに参加している。親がよりよい教育を受けていれば、子育てにより関わり、子どもの生存と成長、発達を促進する

● 特にロマの女の子と女性が初等や中等教育を受け、社会への取り込みを改善すること

マケドニア・旧ユーゴスラビア共和国では、女の子の中等教育出席率は国平均では84%だが、ロマの女の子は35%にとどまる

● 生活水準を改善し、ロマ世帯、特に女性の低収入への取り組みを

3カ国とも、国平均と比べて、ロマ世帯はトイレや手洗い場が持てず、料理に薪を使う傾向にある

*  * *

ユニセフは、「ヨーロッパ2020戦略」に記されている通り、社会的一体性と持続的発展への寄与を求められている子どもや若者への投資を優先することを推奨しています。

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