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ユニセフとUNFPA(国連人口基金)が歓迎
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© UNICEF/TNZA2010-00103/Shehzad Noorani |
家族のために料理をする13歳で結婚した女の子(タンザニア)。 |
ユニセフとUNFPA(国連人口基金)は、本日アディスアベバで発表された、アフリカ連合にとって初となる「児童婚を終わらせよう」キャンペーンを歓迎します。
ユニセフ事務局次長のマーティン・モグワンジャはアディスアベバで「以前は、アフリカでは児童婚について声を上げることはためらわれていると耳にしていました。しかし、今日、アフリカの指導者や機関は一致団結し、「児童婚に反対」との姿勢を打ち出しました。アフリカの人々によるアフリカの人々のためのこの取り組みは、どんな家庭やコミュニティで生まれ育ったとしても、すべての少女が18歳になるまでは結婚しない権利を実現できるまで、やめてはなりません」と述べました。
© UNICEF/UNI162262/Glenna Gordon |
診療所で妊産婦健診を受ける10代の女の子(ガーナ)。 |
市民社会の活動家たちは、数年にわたって児童婚の問題を取り上げてきましたが、政府高官や機関、国連機関、若者や子どもを含む個人といった幅広い人たちが一斉に、児童婚を終わらせようと明言したのは初めてです。現在、アフリカで児童婚を強いられている少女は1,700万人以上—。実にアフリカ大陸の少女の3人にひとりが、児童婚によって子ども時代を奪われています。
UNFPA東部・南部アフリカ地域事務所所長のジュリッタ・オナバンジョ氏は「(集計された)データにより、幼い少女たちにとって、児童婚は極めて重大な脅威であることが、今回初めて明らかになりました。少女たちの権利が認知されていないという状況のなか、児童婚の終結に向けて取り組まなければ、個々の潜在的な能力を引き出せずに、子どもたちの成長の機会を奪います。それらの代償は、児童婚終結に向けた取り組みのコストをはるかに上回るものになります。一致団結して取り組めば、児童婚を終わらせることができます。エチオピア、マラウイ、ニジェール、そのほかの多くの国でも児童婚を終わらせる取り組みが始まっています」と述べました。
© UNICEF/NYHQ2004-0846/Francois d'Elbee |
6カ月になる息子に母乳をあげる12歳の女の子(ザンビア)。 |
国家をあげて実施する当キャンペーンは、まずは2年間、10カ国で行われる予定です。その他の国々も、参加する準備ができています。児童婚が子どもや社会に与える影響に対し、アフリカ大陸全体で意識を高めるために、政策立案や草の根の活動が実施されます。児童婚を強いられる少女は、多くの場合、アフリカの社会で最も疎外された家庭出身です。そのため、少女たちを児童婚の脅威から守るには、適切な法律や制度、社会・経済方針を取り入れるための、持続的な政治的コミットメントが必要です。
世界で児童婚が最も多い国上位10カ国のうち、9カ国がアフリカの国々で、ニジェール(75%)、チャド(68%)、中央アフリカ共和国(68%)、ギニア(63%)、モザンビーク(56%)、マリ(55%)、ブルキナファソ(52%)、南スーダン(52%)、マラウイ(50%)となります。
ニジェールで15歳の時に暴力的な男性との結婚を強いられ、その夫のもとから逃げたバリラさん(現在17歳)は「強制された結婚で、つらい思いを数えきれないほどしました。私が言葉を発しようとしたときはいつも、理由もなく私を脅したのです。私は逃げました。道で出会った人が、私を両親のところへ連れて行ってくれました。両親は私を夫のもとへ返そうとしましたが、私は拒否しました。両親は、夫は家族の一員であり、私は拒否できる立場にないと主張しました。夫に暴力をふるわれていた私は、両親が戻れというのを受け入れることはできませんでした。本当に大変な思いをしました」と語りました。
UNFPA、ユニセフに加え、キャンペーンには、フォード財団、UNECA、セーブ・ザ・チルドレン、プラン・インターナショナル、アフリカ子ども政策フォーラム、英国国際開発庁(DFID)などがパートナーとして参加しています。