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緊迫した情勢が続くイラク北西部。日中の気温45度の中、食糧も水も持たずに歩いてシリアへ逃れてきたヤズディ教徒の方が身を寄せるナウルズ(Nawrouz)難民キャンプを訪れたユニセフ・シリア事務所広報官のラザン・ラディシによる報告です。 * * * イラクからシリアへ逃れる人々「食糧も水もなく、20時間以上歩きました」と語るのはジュアンさん。家族8人とともに、3日前にシリア北東部のナウルズ難民キャンプに到着しました。 少数民族のヤズディ教徒のジュアンさん。ヤズディ教徒の多くは、イラク北西部のシンジャルの山岳地帯からシリアへと逃れています。ニナワ州のシンジャルには、多くの国内避難民を含め、少なくとも子ども15万人がいましたが、8月3日に「イスラム国」に制圧されました。 シリア国内では、イラクとの国境から40kmの場所に新たに難民キャンプが設置されました。毎日、キャンプには多くの子どもたちを含めヤズディ教徒の人たちが到着しています。8月12日時点で約5,000世帯が身を寄せているとみられ、キャンプに到着する人の6割は子どもたちです。 キャンプに到着した人たちは疲労困憊し、脱水症状に陥っており、早急な支援が必要です。気温は45℃に達し、多くの人は強い日差しを浴びたり、熱射病にかかっています。 「この子も、イラクからシリアへ歩いて来ました」と母親が指差したのは5歳の男の子。母親には子どもが7人います。 緊急支援を展開
8月12日までに、キャンプには国連からの支援物資が届けられています。ユニセフは、栄養価の高いビスケットや衛生用品の詰め合わせ、ほこりまみれになり、破れた靴で到着する子どもたちのために衣類などを提供しています。 カミシュリ(Qamishly)近くのユニセフ現場事務所の所長を務めるエルタイェブ・アダムは「避難されてきた方たちは、大勢でトラックに乗ってキャンプに到着しています。その状況は厳しいものです。ユニセフは他の国連機関と共に、こうした方たちに緊急支援を行っています」と述べました。 イラク側の国境付近には、ヤズディ教徒20万人以上がいるとみられ、多くはこの数日内にシリアへ入ってくると思われます。 「イスラム国が恐ろしいことをしていると聞き、夜中に避難することを決めました。義理の娘と孫たちのことが心配でした。私のような年配の人間には、徒歩での避難は簡単ではありませんが、それしか方法がありませんでした」と、男性が語りました。
先週、ヤズディ教徒の方たちが到着し始めると、クルド支援団体のロジャバや、クルド赤十字、NGOのイハサンなどの地元の人道支援団体が、支援を開始しました。 ロジャバでボランティアをしているニスリーンさんは「我々には限られたものしかありません。大勢の方が到着しています。ある家族がテントに落ち着いたと思うと、新たに10以上の家族が到着するといった具合です」と話しました。 シリアのクルド系の住民は、疲れ果ててシリアにたどり着いた人たちに軽食と水を提供し、あたたかく迎えています。マバマのトランジット・レセプションで活動するロジャバの若いボランティアは「大変な思いをして到着した方たちが安堵できるよう、我々全員、ここで活動しています」と語りました。 「安全な場所がほしいだけ」
UNHCRと地元の人道支援団体はこれまでにテント500張以上を提供していますが、新たに到着する人が続いており、もっと多くのテントが必要です。キャンプ内の衛生状況は悪く、塩素で消毒された水は不足し、排水も十分にできていないことから、感染症が発生する恐れもあります。 8月12日にキャンプに到着した6児の母ロシャンさんは「安全な場所がほしいだけです」と述べました。子どもたちはほこりにまみれ、最低限の衣類しか持っていません。「すべての国で紛争が起きていて、私は疲れ果てました」と続けました。 ユニセフ・イラク事務所は8月5日に発表した声明で「女性や子どもたちが避難している地域に無条件かつ安全にアクセスできるようにすること、国際人道法また人権法の下に認められている子どもへの特別な保護を尊重するよう、影響力を及ぼせるすべての組織、勢力に対し、行動することを要請します」と述べています。 人道危機緊急募金郵便局(ゆうちょ銀行) *公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。
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