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東部・中部ヨーロッパ/アジア中央部:
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© UNICEF/NYHQ2011-1060/Holt |
3歳未満の子どものための施設で暮らしている子ども。ユニセフが里親プログラムを始める前、100人以上の子どもたちがこの施設で生活していた。(ブルガリア) |
中部・東部ヨーロッパとアジア中央部の26カ国では、少なくとも140万人の子どもたちが、親元を離れ、施設で暮らしています。施設での養育は、子どもたちの成長に影響を及ぼすこともあります。別々に生活する恐れのある家庭を支援することは、施設での養育の必要性を減らし、すべての子どもたちが持っている、親といっしょに暮らす権利を促進することにもなります。
ユニセフ事務局長のアンソニー・レークは、9月のユニセフ執行理事会でブルガリアと共催で行った会議で「子どもにとって、家庭に基づくケアが最善であり、施設での養育は最後の選択肢であるべきです。安全な場所を与える以上に、愛情があふれ、支えになってくれる環境こそが、子どもたちにとって大切なのです。こうした環境は、子どもたち自身が持つ力を自ら開花させる助けとなり、子どもたちはやがて社会の一員として貢献してくれるようになります」と述べました。
施設での養育は、子どもたちの身体的、知的、情緒的発育を損ねることもあります。ある調査では、家族やコミュニティに基づく養育は、長期的に見れば、より費用対効果が高いとの結果がでています。2010年にアルメニアでユニセフが行った調査によると、施設での養育にかかる費用は平均年3,800米ドルで、政府が負担しています。里親による養育では、年2,800米ドル、家庭での養育であれば、さらに費用は削減されます。
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3歳未満の子どものための施設にいる子どもたち。(ブルガリア) |
中部・東部ヨーロッパならびにアジア中央部の多くの国々では、子どもの養育において大きな進展がみられます。この数年、不要な家族別離を避けるべく、子どもを施設で養育することよりも困難な状況にある世帯への支援へと政策が移行しています。
ブルガリアの国連常任代表でユニセフ執行理事会の副理事を務めるステファン・タフロブ氏は「ブルガリアでは、子どもの養育における改革が進められており、多くの家族がいっしょに暮らせるようになりました。この進展を確固たるものにするには、両親への支援を強化し、個々の家庭のニーズを反映する全体的かつ柔軟性のあるアプローチをとっていく必要があります」と述べました。
ブルガリアでは、現在、施設で育つ3歳未満の子どもの数と、乳児院にいる子どもの割合が減少しています。家庭での養育が困難な3歳未満の乳幼児で、施設ではなく、コミュニティ内での家庭的なケアや里親のもとで育つ子どもが増えています。
© UNICEF/NYHQ2011-1140/Holt |
生まれながらに障がいがあり、母親が15歳だったため、施設で生活をしていた7歳の男の子。現在は里親の元で生活している。(セルビア) |
ユニセフは各国政府とともに、法律制定、政策立案、質の高い保健、教育、社会サービスを含め、最も厳しい環境にある子どもと家族に特に焦点を絞った子どもの養育の改革を支援しています。
■参考情報:
CEE/CISで施設養育が多い背景について
中部・東部ヨーロッパならびにアジア中央部の多くの国々では、施設での子どもの養育に関する政策と慣習が多く存在しています。こうした背景には、貧困や厳しい環境にある家庭では、国のほうが子どもをより守り、育ててくれるといった考えが定着していることが挙げられます。また、障がいや貧困、養育能力が足りないなどの理由で、子どもが施設に預けられることもよくあります。
施設での養育は、幼い子どもたちの精神面、行動面、情緒面、社会面の発育に影響を与えます。また、嫌がらせ(ハラスメント)や屈辱、孤立、監禁、レイプや拷問といった暴力にあう恐れも高まります。
適切な支援があれば、多くの家庭では子どもたちを養育し、守ることができ、家族が離れ離れとなることを避けられます。このため、家族別離の恐れがある家庭が、子どもを施設に預けるのではなく、家庭で養育できるように支援すること、または施設養育以外の選択肢を提供することが喫緊の課題となっています。
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