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公益財団法人日本ユニセフ協会

10月15日「世界手洗いの日」
エボラ出血熱の予防にも有効な手洗い
下痢で命を失う子どもは1日に約1,000人

【2014年10月15日 ニューヨーク発】

エボラ出血熱の啓発活動で、子どもたちにせっけんを使った正しい手洗いの方法を教える様子。(ギニア)
© UNICEF/NYHQ2014-1522/La Rose
エボラ出血熱の啓発活動で、子どもたちにせっけんを使った正しい手洗いの方法を教える様子。(ギニア)

今年で7回目を迎える10月15日「世界手洗いの日(Global Handwashing Day)」。ユニセフは、エボラ出血熱への取り組みが行われる中、感染症を予防する手洗いの習慣の重要性はさらに増していると訴えます。

お金をかけず、すぐに取り組める予防策

ユニセフの水と衛生部門部長のサンジャイ・ウィジェセケラは「季節性のインフルエンザから風邪まで、せっけんを使った手洗いは、最もお金がかからず効き目のある“ワクチン”といえます。エボラが発生しているシエラレオネ、リベリア、ギニアで、感染拡大を防ぐ方法のひとつとして、ユニセフは手洗いの重要性を強調しています。手洗いはエボラの特効薬ではありませんが、お金をかけずに、すぐに取り組める予防策です」と述べました。

エボラ出血熱が確認された国々で、ユニセフはエボラに関する啓発活動、またエボラに関する誤解を解く活動を主導しています。エボラに関する誤解によって、感染のリスクが高まる恐れがあります。また、治療や看病にあたる人へ防護服や手袋、消毒用の塩素の提供を行っているほか、せっけんの配布も行っています。シエラレオネでは棒状のせっけん150万本以上を配布し、リベリアやギニアでも数百万本を提供しています。

ウィジェセケラ部長は「エボラを簡単に制御する方法はありません。エボラを食い止めるには、国際社会におる大規模な取り組みが必要なことは明らかです。最も感染が拡大している地域で、どのような方法が可能かを伝えることは極めて重要であり、手洗いは、実行可能な方法の一つなのです」と続けました。

正しい手洗いで守れる多くの命

お母さんと一緒に手を洗う1歳3カ月の赤ちゃん。(チャド)
© UNICEF/UKLA2012-00681/Asselin
お母さんと一緒に手を洗う1歳3カ月の赤ちゃん。(チャド)

ユニセフとWHO(世界保健機関)が9月に発表した統計によると、2013年、5歳未満の子ども34万人以上、つまり一日約1,000人が安全な水やトイレ、基本的な衛生習慣が欠如しているために、下痢で死亡したといいます。エボラが確認された国々では、エボラへの対応のために保健サービスに大きな負荷がかかっていることから、一般的な感染症を予防する上で、手洗いはますます重要になってきています。

「世界手洗いの日」は、一般的な予防法として、また下痢のような命を奪いかねない病気の予防法として、せっけんを使った手洗いの重要性を強調する日です。世界の多くの国々では、正しい手洗いを広めるための取り組みが行われます。

スリランカでは、96の学校で3万8,400人以上の子どもたち、また政治家や一般の人たちが手洗いイベントに参加します。レバノンでは、携帯のテキストメッセージ(SMS)を使って「正しい手洗いで自分の健康を守ろう」というメッセージが、何百もの携帯電話契約者に送信されます。マリでは、国を挙げて手洗いイベントのメディア・キャンペーンを行い、学校でせっけんが配布されます。ガンビアやナイジェリア、カンボジア、そのほかの国々でも、手洗いの啓発のためのイベントが予定されています。

* * *

日本の子どもたちに、正しい手洗いの大切さを楽しく伝え、世界の子どもたちが直面する保健や衛生の問題を知っていただくために、2009年にプロジェクトを発足。「手をあらおう。手をつなごう。」の合言葉のもと、ダンサーの森山開次さん振り付けによる「世界手洗いダンス」を制作し、森山さんと同じくボランティアとして協力いただいているルー大柴さんはじめ多くの著名人の方々のご協力もいただきながら、楽しく手洗いの習慣を身につけてもらうための活動を行っています。 プロジェクト・ウェブサイトでは、「世界手洗いダンス」をご覧いただけるほか、正しい手洗いを広めるためのポスターや冊子、紙しばいなどが無料でダウンロードできます。

■ 世界手洗いの日について

学校でせっけんを使って手を洗う女の子たち。(インド)
© UNICEF/INDA2013-00381/Romana
学校でせっけんを使って手を洗う女の子たち。(インド)

国際衛生年の2008年、ユニセフなど水と衛生の問題に取り組む国際機関や大学、企業など13の組織から成る「せっけんを使った手洗いのための官民のパートナーシップ」により、制定されました。世界では、年間630万人もの子どもたちが5才の誕生日を迎えずに命を失い、その原因の約半数は肺炎や下痢、マラリアなどの予防可能な病気です。せっけんを使って正しく手を洗えれば、下痢や肺炎を防ぎ100万人もの子どもたちの命が守れると言われています。 特設サイト(英語)

■参考情報:子どもの死亡に関する統計について

5歳未満児死亡の主な要因は、早産による合併症(17%)、肺炎(15%)、陣痛・分娩中の合併症(11%)、下痢(9%)、マラリア(7%)となっています。また、5歳未満のすべての死亡の約半数に、栄養不良が関係しています。
せっけんを使った手洗いは、下痢と肺炎の予防において極めて有効です。

出典:『2014年度版 子どもの死亡における地域(開発レベル)別の傾向(Levels and Trends in Child Mortality 2014)』

▼2014年9月16日発表
子どもの死亡に関する報告書発表 5歳未満で死亡する子どもは630万人 新生児死亡削減へさらなる取り組みを

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