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公益財団法人日本ユニセフ協会

中央アフリカ共和国:
新たな戦闘発生
「忘れられた子どもたち」への支援を実施

【2014年10月31日 バンギ(中央アフリカ)発】

ユニセフが支援する診療所で、診察を受けるために並ぶ女性や子どもたち。(中央アフリカ共和国)
© UNICEF/NYHQ2014-1472/Bindra
ユニセフが支援する診療所で、診察を受けるために並ぶ女性や子どもたち。

中央アフリカでの戦闘悪化と人道支援関係者への攻撃の増加を受け、ユニセフは自宅を離れ避難生活を送っている何千もの子どもたちへの支援物資の提供を急いでいます。

新たな戦闘が勃発

中央アフリカの北部ならびに西部では新たな戦闘が発生。南西部にある首都バンギでも暴力が高まっており、治安がさらに悪化し、人道アクセスは危険にさらされています。

ユニセフ・中央アフリカ事務所副代表のジュディス・レヴェイレは「我々は、特に最も到達困難な場所にいる子どもたちを守る仕事をやめるよう脅迫されましたが、断固拒否しました。この国の子どもたちを支援するために、できる限りのことをせねばなりません。子どもたちは絶望的に支援を必要としている上、世界から忘れさられる恐れがあります」と述べました。

ユニセフは戦闘下にある子どもたちに支援を届けるため、あらゆることをしています。以下はその一例です。

ユニセフの支援

ノルウェー・エアシャトルの特別機で空輸された支援物資。(中央アフリカ共和国)
© UNICEF CAR/2014
ノルウェー・エアシャトルの特別機で空輸された支援物資。
  • ユニセフは今後2カ月、同国北西部のボサンゴアと同国西部のブアールで、水処理施設を稼働させるのに必要な燃料と消毒用の塩素を届け、住民5万5,000人の水の供給を確保
  • 事態が悪化しうるという恐れの中、5つの現場事務所に、防水シートや家庭用の貯水容器、毛布など、子どものための緊急支援物資の備蓄を強化
  • 10月29日、HIV治療薬や緊急トイレの建設資材、重度栄養不良の子どもの栄養物資などの備蓄を積んだノルウェー・エアシャトルの特別機が首都バンギに到着
  • ユニセフは、戦闘下のカガ・バンドロ、バタンガフォ、デコアを含め、避難生活を余儀なくされている子どもおよそ1万5,600人のための仮設の学習スペースを新たに78カ所設置

しかし、ユニセフとパートナー団体が同国で人道支援活動を継続するには、困難が増しています。

支援を必要とする人々へのアクセスを

レヴェイレ副代表は「10月、人道支援関係者に対する攻撃は過去最悪となりました。厳しい状況におかれている子どもたちとその家族に緊急支援を届けるには、安全で妨害されない人道アクセスが必要です。紛争に関わるすべての勢力に対し、支援を必要とする人たちへのアクセスを保証することを求めます」と述べました。

水処理施設の修復支援を実施し、多くの住民に水を提供。(中央アフリカ共和国)
© UNICEFCAR/2014/LeMoyne
水処理施設の修復支援を実施し、多くの住民に水を提供。

中央アフリカ共和国では、昨年12月首都バンギに激しい戦闘が迫って以降、230万人以上がその影響を受け、100万人近い国民が自宅を離れて避難生活を強いられました。現在でも50万人近くが避難生活をしており、最近バンギで起きた戦闘によって、3,000人が避難生活を強いられています。

ユニセフは10月初旬にバンギで起きた8日間の激化した戦闘で、子ども6名が死亡、22名が負傷したことを確認しています。殺害された子どものうち2名は、スパイ容疑をかけられた後、残虐な方法で殺害されました。また、道路封鎖や攻撃対象とされることへの恐怖から、負傷した子どもや妊産婦が病院に行くことができないとの報告も受けています。

■参考情報:
ユニセフは、首都バンギのほか、ボサンゴア、ブアール、ゼミオ、カガ・バンドロに事務所を設置。人道支援が届いていない場所へ空路などで総合的な緊急支援を行う即応メカニズム(Rapid Reposponse Mechanism:RRM)を主導しています。また、欧州委員会人道援助局(ECHO)の支援を受け、バンギやボサンゴア、カルノ、ブアールといった都市部の浄水処理センターが稼動できるよう、支援物資を届けています。

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