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11月12日「世界肺炎デ—」
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© UNICEF/BANA2012-00889/Khan |
肺炎の治療を受ける1歳半の男の子。(バングラデシュ) |
本日11月12日は、6回目となる「世界肺炎デー (World Pneumonia Day)」です。ユニセフは、肺炎で亡くなる子どもが大幅に減少したことは、肺炎に関する戦略が有効であったことの証であると発表します。しかし、今なお毎年この予防可能な病気で死亡する子どもたちは94万人に上り、子どもたちを肺炎から守るために、取り組むべきことはたくさんあります。
肺炎は子どもの主要な死亡原因のひとつで、全体の15%を占めています。ユニセフは最近発表した統計で、2000年以降、肺炎による死亡が44%削減されたとしています。
© UNICEF/BANA2013-01169/Kiron |
生まれて間もなく肺炎にかかった生後5カ月の男の子。回復して元気な姿を見せる。(バングラデシュ) |
ユニセフのグローバル・ヘルス・プログラム長のミッキー・チョプラは「肺炎は依然としてとても恐ろしい病気です。HIV/エイズやマラリア、けが、はしかで亡くなる5歳未満の子どもの数の合計よりも、肺炎で亡くなる子どものほうが多いのです。毎年、100万人近い子どもが肺炎で死亡しています。肺炎による死亡は減少していますが、楽観視できない状況です」と述べました。また、「肺炎の最大のリスク要因は貧困です。いかに社会から取り残されていようとも、すべての子どもたちを肺炎から守るために、取り組まねばなりません」と続けました。
貧しいコミュニィティでは、肺炎による死亡が最も多くなっています。肺炎の主な原因は家庭での空気汚染で、薪や糞、石炭を調理や暖房の燃料に利用している家庭の子どもたちは、肺炎にかかるリスクが高くなっています。また、人口密度の高い住環境の家庭は、より肺炎にかかりやすくなっています。加えて、貧しい家庭の子どもたちは、肺炎の主な原因となるはしかや百日咳の予防接種を受けていない傾向にあります。
早期の診断と治療、医療ケアへのアクセスが、肺炎から命を守ることにつながります。よって、肺炎を削減させる戦略は、低所得のコミュニティに特化する必要があります。
肺炎ワクチンの使用の増加により、特に低所得の国々では肺炎の減少を導きましたが、国別でみても、接種率のばらつきが生じています。
© UNICEF/BANA2014-01000/Haque |
肺炎の症状を住民に説明する保健員。(バングラデシュ) |
チョプラ・プログラム長は「貧しい人とより裕福な人たちの間にある治療格差を狭めることは、肺炎という予防可能な死を減少させる上で、極めて重要です。肺炎の要因とすでに確立されている解決法にいっそう焦点を絞ることで、子どもたちを肺炎から守れるようになります」と述べました。
ユニセフの物資部門は、本日、肺炎をタイムリーに認識・管理するために、新しく、かつ改善され、より手ごろな価格の呼吸数タイマーの募集を発表しました。
肺炎の予防・治療には、シンプルな取り組みが成功を収めてます。例えば、研修を受けたコミュニティの保健スタッフが、コミュニティレベルでの統合ケース・マネージメント・プログラムの一環として、病気の子どもに、子どもが飲みやすい形状の抗生物質(アモキシシリン)を投与することや、同様の安価な薬の利用を拡大することは、特に、アクセスが難しい地域の住民たちの間での治療格差の削減の助けとなります。また、早期かつ完全母乳による育児や石けんを使った手洗い、予防接種、微量栄養素の投与といったことも、肺炎の発生を削減します。
■参考情報:5歳未満の子どもの死亡原因について
出典:『2014年度版 子どもの死亡における地域(開発レベル)別の傾向(Levels and Trends in Child Mortality 2014)』、ならびに「世界肺炎デ—」ユニセフ資料より
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