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ひとつのボールが子どもたちの生活を変える
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© Just Play/2012 |
すべてはたったひとつのボールから始まります。さらに、子どもたちを導く魅力的なコーチや安全に遊ぶ場所が揃えば、スポーツはその地域に根付いていくのです。子どもたちは、スポーツやレクレーション、遊びに自然に夢中になります。その経験は、子どもたちにとって必要不可欠なものです。
スポーツは、子どもたちの成長や学習、可能性の開花を手助けするための重要な要素であること以前に、すべての子どもがもつ権利です。2014年11月20日に25周年を迎える「子どもの権利条約」に明記されているように、すべての子どもは、休息や余暇をとること、レクレーション活動をすること、文化的な生活を送る権利をもっています。
1989年に国連総会で採択された「子どもの権利条約」。世界のさまざまな国や地域で、子どもの権利を守る取り組みが進んではいるものの、遊びやスポーツの権利に関しては、その足並みは揃ってはいません。子どもの権利の根底は、基本的な遊ぶ権利にあるということ、そして、たったひとつのサッカーボールが、世界中の子どもたちが直面する、さまざまな問題への支援に大きな役割を果たすということは忘れられがちです。
子どもたちが直面している問題:
© UNICEF Pacific/2014/Alcock |
すべての子どもたちに遊ぶ権利があるという共通の理念のもと、2009年、オセアニアサッカー連盟とオーストラリア政府(オーストラリア国際開発機構とオーストラリア・スポーツ委員会)、オーストラリアサッカー連盟、欧州サッカー連盟、ユニセフ太平洋諸国地域事務所の共同イニシアチブ、“楽しもう!(Just Play!)”プロジェクトを開始しました。
太平洋諸国では、貧困や暴力、虐待、非伝染性の病気の影響を受ける子どもたちが増加しています。子どもたちが前向きな姿勢で楽しみながらスポーツに参加することができるこのプロジェクトは、子どもたちの社会動員や能力向上への重要な一歩となります。
幼い頃から身体を動かす経験をしている子どもたちは、よい運動の習慣を身につけ、生涯にわたってスポーツや身体を使ったアクティビティを続けるようになります。
このプロジェクトを通して、子どもたちは健康的な生活習慣を身につけ、自分の能力に自信を持ち、ジェンダーの平等や社会への参加を促進することができます。また、すべての子どもたちの遊びやスポーツの権利の推進にもつながります。
“楽しもう!”プロジェクトには、これまでに太平洋諸国の11の国から15万人以上の子どもたちが参加し、スポーツを通して成長し、学び、自らの可能性を広げています。参加者の44%は女の子です。また、毎日世界中の何百万人もの子どもたちがスポーツ・プログラムに参加しています。ひとつのボールで、子どもたちはチームワークやフェアプレイを学ぶことができます。また、女の子も男の子も一緒に遊ぶという姿勢が身に付き、身体を使ったアクティビティや経験の大切さも学びます。
“楽しもう!”プロジェクトはサッカーを取り入れ、太平洋諸国の子どもたちの生活向上を目指しています。この健全な発達のためのスポーツ・プログラムには、主に4つの目的があります。
ユニセフとオセアニア・サッカー連盟は、“楽しもう!”プロジェクトを通して、子どもたちに健康的な生活習慣やジェンダーの平等の促進、障がいのある子どもたちの社会参加、積極的な市民参加を促しています。
たったひとつのボールで、子どもたちが日常生活に影響を及ぼすさまざまな問題に、効果的に対処するための力を身につけることができます。そしてたったひとつのボールが、太平洋諸国の子どもたちの生活に、変化をもたらしているのです。今までに、ひとつのボールがこれまでにも大きな力を持つと感じたことがあるでしょうか。
今、そのボールはあなたの手の中にあります。スポーツは子どもたちの生活によい変化をもたらすことができます。そして、世界中の誰もが参加できるのです。
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