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公益財団法人日本ユニセフ協会

ザンビア:Project Mwana
HIV検査結果通知までの所要時間を大幅に減少
ユニセフ・イノベーション

【2014年5月20日 ザンビア発】

看護師が慎重に検体を試験管に入れる様子。
© UNICEF/2014/Fabian
看護師が慎重に検体を試験管に入れる様子。

アフリカ南部に位置するザンビアでは、多くの乳幼児が妊娠中の胎内感染、出産時の産道感染、出生後の経母乳感染によりHIV/エイズに母子感染しています。

HIV/エイズで命を落とす、幼い子どもたち

乳幼児のためのHIVケアや支援が受けられなければ、HIVに感染した乳幼児のうち約30%が1歳未満で、50%が2歳未満で命を失います。一方で、生後12週以内に診療を受け治療を始められた場合、新生児の生存率は最大75%上昇します。

乳幼児は血流に母親の抗体が残っているため、おとなや年上の子どもたちが行う一般的な抗体検査とは異なり、特別なHIV検査が必要です。検体や検査結果の輸送は、特に農村部の診療所で、乳幼児の早期の診察や抗レトロウイルス療法の開始の大きな壁となっており、生存率を大幅に低下させる要因となっていました。

一刻も早く、検査結果を届けるために

“Mwanaプロジェクト”は、保健省がユニセフやパートナー団体の支援で実施している保健イニシアチブです。携帯電話のテキストメッセージ(SMS)を使うことにより、HIVの検査機関から農村部の保健施設へ届けられる検査結果の輸送所要時間の大幅な削減に成功しています。検査をうけてから結果が手元に届くまでの日数は平均66日から33日へと約50%削減されました。以前は結果の返送にかかる所要時間が約30日だったのが、携帯電話で結果が送られることにより、数秒にまで短縮されたことによるもので、農村部の保健施設で大きな効果が出ています。

Mwanaプロジェクトの目標:

  1. 乳幼児向け早期診断の実施強化。
    携帯電話SMSアプリ“Results160”を利用することで、検査結果を受け取る母親を増加させ、より早く、より効果的な方法で母親に支援を提供する。
  2. 出産後ケアを受ける母親の増加、および、診療所などにおける出生登録数の増加。
    産後ケアをうける日程が近づいてきたら母親に伝える携帯電話のアプリ“RemindMi”を利用することで、地域の保健員たちが、母親の産後ケアの受診状況を追跡でき、必要に応じて母親に診療所への訪問を促す。

携帯アプリの開発に当たっては、現場での実効性の高いものを作り上げるため、RapidSMS(携帯電話のメッセージ機能を利用した技術)を基に、実際に利用する人たちや地域の保健員たちの協力の下、進められました。ザンビアは、乳幼児の早期診断を実施する保健施設の数を国全体で増加させるため、このシステムのさらなる向上に取り組んでいます。

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