|
|
HOME > ニュースバックナンバー2014年 >
|
中央アフリカ共和国 戦闘激化から1年
|
© UNICEF/NYHQ2014-0957/Bindra |
首都バンギにある、ユニセフが支援する一時学習スペースに通う10歳の女の子。 |
ユニセフは資金不足に直面しています。緊急支援活動に必要な要請額に対し、集まった額はその50%にも届いていません。戦闘地域での情勢不安により人道アクセスが限られているなか、限られた資金をもとに、地域の人々が必要としている、命を守る支援を届けることが非常に困難になっています。以下はその一例です。
© UNICEF/NYHQ2013-1286/Terdjman |
避難民キャンプで、マラリアの検査を受けるための順番を待つ子どもたち。 |
危機のピーク時には、激しい戦闘と広範囲で起きた武力衝突により、50万人近くの子どもたちが自宅からの避難を余儀なくされました。紛争は、国全土のコミュニティを破壊し、基礎的な社会サービスを崩壊させました。今年1年間、中央アフリカ共和国において、平均して毎日少なくとも子ども1人が殺害、または重症を負っています。そして、最大1万人の子どもが武装グループに徴用されました。
「レイプや殺される恐怖のなか、支援活動の最前線にたっている予防接種投与者や教員、ソーシャル・ワーカー、医師たちは、毎日リスクを負いながら子どもたちのための活動に従事しています。国際社会からの支援が得られなければ、子どもたちの命を守るための支援は脅かされ、今年成し得たことも、そのほとんどが失われてしまいます」(フォンテイン代表)
ユニセフは現地当局やパートナー団体との協力の下、支援を必要とする何千もの家庭に、命を守る支援を実施しました。およそ140万人に医薬品を提供し、100万人以上の子どもたちにポリオの予防接種を実施、マラリアを媒介する蚊から家族を守るための蚊帳を約55万張提供しました。また、重度の栄養不良の子ども2万2,300人以上に、治療ケアを実施することができました。
© UNICEF/NYHQ2013-0287/Matas |
はしかの予防接種を受ける女の子。 |
一方で、危機は国境を越え広がりつづけています。過去12カ月間で、隣国のカメルーンやチャド、コンゴ民主共和国へ新たに避難した人は18万8,000人にのぼりました。暴力を恐れて隣国に逃れた人々の80%以上が、子どもや女性です。さらに、43万人が国内避難民として避難生活を送っています。少数派に属する人々の1万6,000人以上が、武装勢力に包囲された地域での生活を余儀なくされています。
ユニセフは中央アフリカ共和国における社会サービスの再建や市民の保護、コミュニティへの平和と和解の促進アプローチのため、2015年の緊急支援活動に7,200万米ドル(約84億6,000万円 ※1米ドル=117.5円で換算)の資金を要請しています。
■参考:中央アフリカ共和国 情勢レポート (2014年12月3日 バンギ 発)
2014年11月の情勢レポートから、現地の状況を数字でご紹介します。
影響を受けている子ども | 240万人(OCHA 2014年11月18日) |
---|---|
影響を受けている人 | 460万人(OHCA 2014年11月20日) |
支援を必要とする人 | 250万人(OHCA 2014年11月26日) |
国内避難民 | 43万人(OHCA 2014年11月20日) |
国外へ避難した人 | 42万5,000人(昨年12月以降、周辺4カ国:UNHCR 2014年11月24日) |
ユニセフ必要支援額(2014年) | 8,100万米ドル(約95億1,750万円) |
調達された資金額 | 3,800万米ドル(約44億6,500万円、全体の53%が不足/2014年11月30日時点) |
※1米ドル=117.5円で換算
* * *
ユニセフは、未だ政情不安で危機下にある中央アフリカ共和国の支援現場において、政府やNGOとの強固な連携関係の下、さらには最前線でご協力くださるボランティアの方々のお力添えも得ながら、子どもたちへの支援を行っています。ユニセフの活動は、国連本体から財政的支援を受けることはなく、すべてみなさまからお預かりした募金と各国政府の任意の拠出金により成り立っています。
中央アフリカ共和国の子どもたちの命を守り、厳しい状況を改善するという使命を分かち合い、支援をいただいたすべての方々に、深く御礼を申し上げます。