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公益財団法人日本ユニセフ協会

南スーダン:
最悪の食糧不足に直面する恐れ
22万9千人の子どもが 重度の急性栄養不良
ユニセフ 長期の停戦を求める

【2015年2月4日 ジュバ(南スーダン)発】

食べ物が手に入らず、野草を収穫する女性。
© UNICEF/NYHQ2014-1293/Pflanz
食べ物が手に入らず、野草を収穫する女性。

ユニセフは、武力衝突が続く南スーダンの紛争地域の人々が、最悪の食糧不足に直面する恐れがあるとして、戦闘当事勢力に対し、今週月曜日に署名が交わされた停戦協定での合意内容を直ちに実行に移すよう、強く求めました。

紛争で食糧供給量が急激に減少

今週発表されたIntegrated Food Security Phase Classification(IPC)の最新報告書によると、武力衝突で食糧供給量が急激に減少し、最も支援を必要とする人々への人道支援に遅れをきたしています。

多くの人々が食糧を求め、危険が伴う紛争地域内を行き来していることが確認されています。ユニセフは、このIPCの調査結果を支持し、紛争地域で暮らす人々の栄養状態のさらなる悪化を防ぐためには、特に最も被害が深刻な地域において、人道支援の緊急拡大が唯一の手段であると、最新の栄養に関する報告書内で述べています。

ユニセフ・南スーダン事務所代表のジョナサン・ヴェイチは「戦闘により、人道支援が必要な遠隔地に近づくことができません。それらの地域は、まさに危機下にあるのです。双方が長期の停戦合意に達しなければ、作物の収穫量が減少する乾季の終わり頃までに、食糧危機に直面する恐れがあります」と述べます。

「私たちは神経を尖らせています。武力衝突が拡大すれば、支援物資の供給ルートは寸断され、市場は破壊され、人々は人道支援を受けられなくなります。これは重度の栄養不良の子どもにとって破滅的なことであり、子どもの死亡率が急速に高くなるという結果を招くでしょう」(ヴェイチ代表)

重度の急性栄養不良の子ども22万9,000人以上

すぐ口にすることができる栄養治療食を食べる男の子。
© UNICEF/UNI176403/Holt
すぐ口にすることができる栄養治療食を食べる男の子。

現在、少なくとも22万9,000人の子どもが重度の急性栄養不良に陥っていると推定されています。 その人数は、武力衝突が発生した2013年12月以降、2倍に増えています。

ユニセフはパートナーとともに、南スーダン各地で栄養不良に陥った子どもたちへの支援の強化を続けています。2014年、栄養治療ケアの支援を受けた子どもは10万人近くにのぼりました。2015年は、重度の栄養不良に苦しむ5歳未満の子ども13万7,000人に支援を届けることを目標としています。

活動が阻まれている遠隔地への支援には、ユニセフと世界食糧計画(WFP)合同による即応ミッションのもと、専門チームが空路で派遣されています。ユニセフのスタッフは栄養不良の子どもたちの診断や中度・重度の状態の照会、治療ケアを行うと同時に、保護者と離れ離れになった子どもが家族と再開するための登録を実施しています。また、安全な水や基礎的な保健サービス、教育も提供しています。これまで37回にわたり合同ミッションが行われ、5歳未満の子ども14万2,000人を含む60万人以上に支援を届けることができました。

■参考情報: 

  • 南スーダンに関する基本統計 
    出典: ユニセフ『世界子供白書2015』2013年統計
    総人口   1,129万6,000人、5歳未満児死亡率出生1000人当たり99人(世界で13番目の高さ)
  • 紛争の影響  
    出典: ユニセフ情勢レポート(2015年1月29日 ジュバ発)
    国内避難民: 150万人(OCHA 2015年1月15日発表)
    国内避難民の18歳未満の子ども: 80万2,122人
    国外に避難した人: 49万1,289人(OCHA  2015年1月8日発表)

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