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エチオピア:
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© UNICEF Ethiopia/2015/Bizuwerk |
エボ村で行われているプロジェクトで、1万5,000人の学齢期の子どもを含む、2万7,000人が安全な飲料水を手に入れることができるようになった。女の子たちは水汲みに時間を取られることなく、学校に通うことができるようになった。 |
今日はエチオピアにとって喜ぶべき日です。エチオピアは、「安全な飲み水を手に入れられない人の割合を半減させる」という、水と衛生に関するミレニアム開発目標を達成したのです。現在では人口の57%にあたる5,500万人の国民が、川などからではなく、水道や給水ポンプなど、改善された水源から安全な飲料水を手に入れることができるようになりました。その結果、多くの女性や子どもたちの健康状態が大幅に改善し、5歳未満の子どもの死亡率が3分の2減少し、発育阻害の子どもの数も大幅に減少しました。
これは、どれぐらい大きな成果なのでしょうか。ミレニアム開発目標の基準の年となっている1990年、エチオピアで改良された水源を利用することができた人は、たった690万人でした。その人数が、この25年で5,500万人にまで増加したのです。
この成果を生んだのは、エチオピア政府の強力なリーダーシップやドナーによる継続的な支援、そして、継続的かつ効果的な政策です。政府が2000年に展開した「水に関する戦略」や「水に関する開発プログラム」は、今ある前進へつながる大きな力となりました。政府は水に関する分野へ資金を投資するとともに、安全な飲み水を利用できる人数の大幅な増加を低コストで実現できる技術開発への支援を、ドナーに働きかけました。1990年以降、政府や開発パートナー、NGO団体、民間企業からの給水設備への支援は20億米ドルに上ります。
25年の月日をかけた前進や、水と衛生に関するミレニアム開発目標の達成は、ユニセフが推進する、多くの重要なイノベーションが支えています。インドで作られた手押しポンプや、イギリスで開発された深井戸を掘るための掘削機も活用されました。最近では、水不足が深刻な地域において、遠隔操作が可能な最先端の科学技術を用いて、地下深くに眠る地下水を探しあてる調査の実施や、複数の町や村を給水パイプでつなぐことによって、女性や子どもたち、家庭、企業、小規模の農業、家畜が必要とする水を提供する取り組みが成果をあげています。
このようなイノベーションが、水や食糧不足による潜在的な影響を軽減し、栄養不良や発育阻害の要因を減らす手助けとなるのです。2013年から2015年にかけて実施された、ティグレ州エボ村でのユニセフの支援プロジェクトがその一例です。このプロジェクトは、イノベーティブな支援方法を用い、干ばつが起こりやすく、水不足でトラックの運搬による緊急的な給水に全面的に頼らざるを得ない地域に、長期的な解決方法を提供しています。
© UNICEF/ETHA20130098/Ose |
給水施設で水を汲むエチオピア・アムハラ州の住民たち。 |
エチオピア事務所で実施している水と衛生プログラムは、ユニセフの水と衛生に関するプログラムのなかでも世界最大です。ユニセフは村や町、市で生活するエチオピアの1,000万人のための給水施設の設置を、技術面で率いてきただけではありません。過去25年以上にわたり、政府の水と衛生に関する重要な政策決定にアドバイスも行ってきました。ミレニアム開発目標の基準年である1990年以降、エチオピアの女性や子どもたちの命を守る水と衛生の支援を行うため、ユニセフは主要ドナー団体とともに、3億米ドル以上の緊急支援および開発支援を行ってきました。
2020年までに、エチオピア全土の人々が給水施設にアクセスできるようにするため、現在エチオピア政府はONEWASHプログラムを展開していいます。このプログラムは、公共、民間、NGO団体、ドナーすべてが連携して進められます。ONEWASHプログラムには、エボ村でのプロジェクトのように、人里離れた水不足に苦しむ地域へ水を届けるためのイノベーティブな方法を用いた支援の拡大も含まれます。
ユニセフは、支援が最も届きにくい最果ての地域や水不足に苦しんでいる地域、基礎インフラが未整備な非計画都市居住区で暮らす人々を最優先に、発展から取り残されて安全な飲み水を利用できない子どもたちが一人もいないよう、支援活動を実施していきます。
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