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学校が大好き
イリジオくん(11歳)が生まれたモザンビークは、障がいのある子どもたちが、他の子どもたちと同じように生活したり、学校へ行ったりすることが難しい場所でした。長い間、イリジオくんはお母さんと一緒に家で過ごすか、一人きりでお留守番をする生活を続けていました。でも、今は学校に通い、友達と一緒に遊んでいます。文字の書き方を習い、2カ国語を話すこともできるようになりました。イリジオくんの夢は、いつか車を運転することです。 支援がなく、困難だった頃
農村部の村々に出かけて支援活動を行うユニセフのスタッフが、初めてイリジオくんの家を訪れたとき、イリジオくんは動くとも、話すこともできませんでした。母親のイザベルさんは、家族を養うために一生懸命働いていました。けれども、リハビリセンターに通うためのバス代さえも工面することができず、イリジオくんが赤ちゃんの頃から、イサベルさんが一人で面倒をみてきました。 突然湧いた希望
イザベルさんはユニセフのスタッフのユニスさんとマータさんと話をして、初めて、“ひとりで抱え込まなくてもいいんだ”と感じたといいます。その後、リハビリのためのエクササイズの方法をイザベルさんに知ってもらうため、理学療法士を自宅に派遣する手配をしました。すると、ふたりはとても喜んでくれました。治療セラピーのおかげで、イリジオくんは生まれて初めて、言葉を数語、口にすることができました。イリジオくんにとっては、突然湧いた希望だったことでしょう。安堵の気持ちとともに自信が生まれたと、ふたりは言います。 学校に通いたい
自宅でセラピーを受けるうちに、目まぐるしく成長したイリジオくんは、同い年の子どもたちに会うことを心から望んでいました。そこで、ユニスさんとマータさんは近くの学校を訪れ、イリジオくんの入学の手続きを手伝いました。そして、先生や他の児童たちに、イリジオくんがみんなと同じように授業を受け、学校生活を送ることができるようにするために、何ができるのかを伝えたのです。年齢よりも下の学年で勉強を始めたイリジオくんでしたが、その成長は目を見張るものでした。 友だちができた
学校に通い始めてから、イリジオくんはさらに目覚ましい成長を遂げたのです。今ではポルトガル語と現地語のツォンガ語を話すことができるようになりました。そして理学療法のおかげで、今では文字を読むことも、書くこともできるようになりました。長距離の移動には車いすを使っているイリジオくん。しかし、歩行器を使い、自分の力で動くこともできるようになりました。授業を受けたり、友達と遊ぶことが、イリジオくんの成長と開花を後押しする大きな力となりました。イリジオくんの将来の夢は、自分の車を運転すること。その夢が叶う日も、必ずくることでしょう。 人生という名の冒険
ユニスさんとマータさんは、イザベルさんとイリジオくんのもとを定期的に訪れています。そして、学校や理学療法士とも定期的にやり取りをし、イリジオくんが成長と共に必要となる適切な支援を受けられるようにしています。今年、学校への泥道も走行でき、体型に合わせた新しい車いすが、イリジオくんのもとに届く予定です。 人生という名の冒険が、イリジオくんを待っているのです。 【関連ページ】
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