【2016年2月2日 ニューヨーク/パナマ/ジュネーブ発】
現在、ジカウイルスがラテンアメリカ・カリブ地域20カ国以上に影響を与えている公衆衛生上の緊急事態となったことをふまえ、ユニセフ(国連児童基金)は各国政府と協力しながら、コミュニティが自分たちの手で感染を防ぐことができるよう、働きかけています。
©UNICEF Brazil |
「小頭症とジカウイルスとの因果関係について、いまだ決定的な証拠はありませんが、多くの懸念がある以上、即時に対応する必要があります」ユニセフの緊急保健支援シニアアドバイザーを務めるヘザー・パポウィッツは述べています。「女性、特に妊娠中の女性たちに対して、自分自身と赤ちゃんを守るために必要な情報を提供できるよう、迅速に行動しなければなりません。また、このウイルスを運び、感染させる蚊を食い止める方法に関して、コミュニティと共に対応する必要があります」
ブラジル国内の新生児の小頭症に関する報告例は、2015年10月22日から2016年1月26日までの間に、4,180件まで急増しています。2014年の同国全土での発症件数は147件でした。ユニセフは政府や関係機関との協力により、ブラジルの各コミュニティに対して、蚊に刺されるのを防ぎ、発生源を駆除するための方法を伝えるなど、働きかけを進めています。
ウイルスは短期間に広範囲に広まるため、虫よけを使う、丈が長く明るい色の服で体をできるだけ広く覆う、蚊が発生しそうな場所をなくす、窓やドアに網戸を設置するなどの、シンプルな対策が効果的です。ウイルスに接触したと思う妊娠中の女性は、専門の医師の診察を受けるようにすべきです。
小頭症の急増は、これまでブラジルのみで報告されていますが、ユニセフは当該地域の他の国々に対しても支援を強化し、35の国と地域にある24の事務所のネットワークを活用しながら、必要があれば迅速に各国政府に支援を行えるよう準備しています。
ユニセフは、当該地域でのウイルスの拡散を防ぎ、新生児やその家族に対する影響を軽減するための活動に必要な資金として、約900万米ドルの支援を求めています。
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