【2016年2月12日 バンギ(中央アフリカ共和国)発】
中央アフリカ共和国で次期大統領と国会議員を選出する投票が14日に実施されるにあたり、ユニセフ(国連児童基金)は各候補者に対し、子どもの生存、教育、保護の課題に精力的に取り組むことで、子どもたちの最善の利益を政策の中心に位置付けるよう求めています。
© UNICEF/UN08040/Le Du |
「次期大統領が中央アフリカ共和国内の暴力の連鎖を永久に断ち切る唯一の方法は、子どもたちに投資することです」と、ユニセフ・中央アフリカ共和国事務所モハメド・マリック・フォール代表は述べています。「選挙権を持たない子どもたちの声は、選挙結果に反映されません。しかし、この国の将来に恒久的な平和がもたらされるか否かを決めるのは子どもたちであり、彼らを無視することは、極めて深刻な政治的誤りなのです」
2015年3月、ユニセフの支援の下、バンギで「子どもフォーラム」が開催され、国中の子どもたちが将来の希望を話し合うために集まりました。子どもたちが懸念することとして第一に挙げたのは、平和と治安面の問題です。子どもたちは、暴力の終結、多数の難民・避難民が自宅へ戻れるようにすること、そして学校や保健所の再開を訴えました。
© UNICEF CAR/2015/Logan |
「終盤を迎えたこの選挙が、中央アフリカ共和国の平和の回復を確固たるものにすると期待を寄せています。子どもたちは紛争で最も多くの代償を払ってきました。平和の回復によって、若者が国やその発展に貢献し活躍できるよう、私たちは最大限の努力と資源を結集する必要があります」(フォール代表)
中央アフリカ共和国で武力衝突が勃発して以来3年近くが経過し、同国の子どもに関する主要な指標は危機的状況です。5歳未満児死亡率は出生1,000人中164人で(世界で8番目に高い)、5歳未満児の41パーセントが慢性栄養不良に陥り、学齢期の子どもの3分の1が学校に通っておらず、38パーセントの学校が紛争中に襲撃や略奪に遭い、6,000人から1万人の子どもたちが紛争中に武装勢力に徴用されています。ユニセフは中央アフリカ共和国の子どもたちの人道支援ニーズに対応するため、2016年に必要な額として5,560万米ドルの資金を要請しています。
【関連ページ】
シェアする