【2016年3月6日 ダマスカス(シリア)発】
シリア東部のアレッポの200万人以上の命と健康のために不可欠なアルカフセ(al-Khafseh)の浄水施設が、3月4日に運用を再開しました。
© UNICEF/UNI168531/Khabieh |
シリアで最も重要な施設の一つであるこの浄水施設は、ユーフラテス川の原水を取水し、1日に平均4億リットルの飲み水をつくっています。アレッポの市全体と県の東部地域に暮らす200万人以上にとって唯一の飲み水の供給源であるこの施設は、今年1月16日に意図的に運用を停止されていました。
「アレッポの人々が再びきれいな水を入手できるようになることで、命が守られます」とユニセフ・シリア事務所代表のハナア・シンガーは言います。「100万人の子どもたちが、この施設の安全な飲み水を頼りにしています。安全な飲み水は、感染すると時には命を落とすことさえある水を媒介する感染症から、子どもたちを守るために不可欠なのです」
水は、シリアの紛争に関わるすべての勢力によって、駆け引きの手段にされています。数百万人の市民が、飲料用および生活用のきれいな水を奪われています。水源における水供給の遮断、水関連施設を標的にした空爆や地上攻撃、施設の保守や修繕、運用を担う民間の労働者に対するアクセス妨害などが駆け引きの例です。ユニセフ(国連児童基金)は、アレッポやダマスカス、ダマスカス郊外県、ダラア、ハマなどの地域において、これらが実行されていることを確認しました。2015年だけで500万人以上のシリア人が、命に関わる恐れのある水不足に直面しました。
©UNICEF Syria/2015/Baraa Al Halabi |
「紛争に関わる勢力は、人々の生存に必要不可欠な水供給を標的にした攻撃や、意図的な妨害をやめなければなりません。浄水施設や水供給システム、パイプライン、水関連施設の補修を行う人員を、保護すべきなのです。シリアの子どもたちとその家族は、安全な飲み水と、衛生や健康のためのきれいな水を手にする権利があります」(シンガー代表)
ユニセフは、アレッポのすべての人々がきれいな水を入手できるよう、過去数週間にわたって、水のトラック輸送や水供給インフラの緊急補修、復旧作業といった支援活動を、パートナー団体と緊密に協力しながら実施しています。
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ユニセフが2015年に確認した、シリア紛争に関わる勢力が水を駆け引きの手段にしている具体的なケースは以下の通り。
ユニセフはシリアの人道支援における水と衛生(WASH)部門を指揮しており、人々へ水と衛生のサービス提供に向け、パートナー団体との協力のもと活動しています。ユニセフのWASHプログラムは、シリア全土で暮らす人々に対し、以下の3つを中心とした支援を届けています。
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