【2016年4月6日 スバ(フィジー)発】
カテゴリー5のサイクロン「ウィンストン」が国を破壊し、人口の40%に相当する人々が被災してから数週間。フィジーは、再び3つの熱帯擾乱(ねったいじょうらん)の影響による異常気象に見舞われています。その一つが急速に威力を増し、サイクロン・ゼナとなりました。
© UNICEF/UN011482/Sokhin |
熱帯擾乱は、サイクロン・ウィンストンで大きな被害を受けた地域を含め、フィジー各地で広範囲の洪水を引き起こしました。多くの河川の堤防が決壊し、新月の頃に発生する高潮も懸念されています。
サイクロン・ゼナは、今後24時間以内に、人口の70%が集まるビティレブ島南岸に沿って、カテゴリー3の威力でフィジーを通過すると見られています。
風はすでに強まりつつあり、最大時速120キロメートルの突風が吹くことが予想されています。ビティレブ島南岸には、フィジーで人口密度が最も高い首都スバも位置しています。
ユニセフ太平洋事務所代表のカレン・アーレンは、スバで次のように話しました。「この3つの熱帯擾乱に起因する洪水や雨は、フィジーの子どもたちや家族たちにとって最悪の時に来てしまいました。それらの影響を受けるのは、たった1カ月ほど前にサイクロン・ウィンストンで被災した人々なのです。非常に多くの人々が、防水シートやトタン屋根の下、テント、もしくは再び避難所に戻って身を寄せています」
サイクロン・ウィンストン被災後、多くの人々が今も避難所に身を寄せている中、今回の洪水によって避難場所を求める人々の数は、再び増加しています。
© UNICEF/UN011468/Sokhin |
アレン代表はまた、「この事態は、子どもたちや家族たちの健康と生活に大きな脅威をもたらします。こうした洪水や避難生活は、特に下痢性疾患、皮膚疾患、眼感染症、呼吸器系感染症など、急速に広がりやすい病気のリスクを急増させます。デング熱やジカ熱といった蚊が媒介する病気のリスクも高まります」と付け加えました。
「こうした状況の中、サイクロン・ウィンストンによる被災で、すでに非常にストレスが多い状況下で暮らしている子どもたちやその家族たちの心の状態についても大変懸念しています。すべてを失ってしまっている家族にとって、度重なる災害は、彼らの復興への努力に大きな打撃となるでしょう」(アレン代表)
ユニセフは状況を注視しつつ、被災地域への現地調査に参加する予定です。南太平洋地域では、エルニーニョの影響によって、サイクロンが到来する季節の予測が特に難しい状況です。
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