【2016年12月11日 アンマン(ヨルダン)発】
ユニセフ(国連児童基金)は、中東・北アフリカ地域に暮らす子どもたちの約5人に1人が、ただちに人道支援が必要な状態にあると伝えています。
© UNICEF/UN040089/Romenzi |
中東・北アフリカ地域諸国は子どもたちの権利と健康・福祉を保護するために大きな進歩を遂げてきました。しかし、ユニセフが創設70周年を迎える今日、暴力を伴う紛争、貧困、また避難生活を余儀なくされるなど、子どもたちを取り囲む環境は非常に厳しいものとなり、約2,900万人の子どもたちが危機的状況に直面し、この数十年間築かれてきた安定した進歩を後退させています。
「私たちは、この70年間、ユニセフが子どもたちのために行ってきた活動を誇りに思っています。この地域のすべての国は子どもの権利条約を批准し、5歳未満児の死亡率は低下し、子どもの就学率が向上しました」とユニセフ中東・北アフリカ地域事務所代表ヘルト・カッペラエレは述べました。「しかし、紛争により、この地域に暮らす1億5,700万人の子どもたちのための進歩は台無しにされ、我々ユニセフの子どもを守るという使命は、かつてないほど重要になっているのです」
中東・北アフリカ地域全土にまたがる数年にわたる紛争により、地域の半数の国々では、ますます多くの子どもたちが直接攻撃にあい、紛争の影響を受けているのです。
「ユニセフが70周年を迎える今日、これらの残酷な数字は、中東・北アフリカ地域の子どもたち1人ひとりが、紛争を生き抜き、健康に育ち、彼らの持つ可能性を最大限活かせるようになるために、世界各国にはさらなる努力が求められていることを知らしめる警告となるべきなのです」とカッペラエレは述べました。
ユニセフは、中東・北アフリカ地の困難を抱える子どもたちの緊急的および長期的ニーズに応えるために、安全な水と衛生の確保、基本的保健サービス、教育を受ける機会および心理社会的ケアを提供しています。
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