【2017年4月21日 ニューヨーク/ジュネーブ発】
ユニセフ(国連児童基金)は、今年に入って、北アフリカから地中海中央ルートを通りイタリアに渡ろうとして死亡した子どもの数は推定150人以上にのぼると発表しました。しかし、渡航中の多くの子どもたちにはおとなの同伴者がいないために死亡したとしてもその多くは報告されないことから、実際犠牲となった子どもの数はさらに多いことはほぼ確実です。
© UNICEF/UN020031/Gilbertson VII Photo |
今年に入ってから、地中海中央ルートを渡りイタリアに到着した難民・移民の数は、昨年同時期の42%増の、3万7,000人近くにのぼり、そのうち13%が子どもです。このルートが世界で最も危険な移動ルートの1つとされ、渡航には死の危険が伴うにも関わらず、試みる人は増加しています。今年1月以降、少なくとも849人がこのルートを渡航中に海上で命を落としました。
「何千人もの子どもを含む、弱い立場にある人々が、この非常に危険なルートを使って、命を危険にさらしてまでヨーロッパの海岸に辿り着こうとしていることは、極めて憂慮すべきことです」とユニセフ欧州地域事務所代表兼欧州難民危機特別調整官アフシャン・カーンは述べました。「このことはまた、安全で合法な経路が断たられたときに、必死に紛争、貧困や搾取から逃れようとする子どもたちと家族はどんな手段にもすがるということを証明しています」
この数日間だけでも、海面が穏やかになり気候が暖かくなった地中海を渡ろうとする難民・移民が波のように押し寄せています。復活祭の週末だけでも8,300人以上の人々が、リビア・イタリア間の海上で救助されました。
渡航を試みる人が増えれば、それだけ犠牲者が出ます。この週末だけで8人の溺死が報告されています。現時点での2017年の地中海中央ルートを渡航中の死亡率は3%となっています。
命がけで地中海中央ルートを渡るおとなの同伴者のいないまたは親と離ればなれになってしまった子どもの数は、劇的に増加し、今年1月と2月には昨年の40%増にあたる、1,875人がイタリアに到着しました。
■ユニセフは、故郷を追われた子どもたちを保護するために、国際社会に以下のことを求めています。
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