【2017年6月19日 ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)は、6月20日の世界難民の日の前日である本日、19歳のシリア難民で教育活動家のマズーン・メレハンさんを、最も新しくかつ最も若い親善大使に任命しました。公式に認定された難民がユニセフ親善大使になるのは、マズーンさんが初めてです。
© UNICEF/UN060490/Sokhin |
マズーンさんは、故オードリー・ヘップバーン親善大使が子どもの時にユニセフの支援を受けていたのと同じく、ヨルダンのザータリ難民キャンプで暮らしている時にユニセフから支援を受けていました。
「私は子どもでしたが、教育こそが私の人生の鍵だということがわかっていたので、シリアから逃れるときに持っていた唯一の荷物は、学校の教科書でした」とマズーンさんは言います。「私は難民として、早婚や単純労働を余儀なくされ、教育を受ける機会を失い、将来の可能性を失う子どもたちを見てきました。ですから、私はこのような子どもたちに声を与え学校に戻れるように、ユニセフと一緒に活動できることを誇りに思います」
マズーンさんは2013年に家族とともにシリアでの紛争を逃れ、英国に第三国定住するまでの3年間をヨルダンで難民として過ごしました。そして彼女がザータリ難民キャンプで暮らした18か月の間に、子ども、特に女の子にとっての教育へのアクセスの必要性を訴える活動を開始しました。
「マズーンさんの勇気と不屈の精神に、私たちはみな力をもらっています。私たちは、彼女がユニセフと世界中の子どもたちのための大使となることを大変誇らしく思っています」とユニセフ事務局次長ジャスティン・フォーサイスは述べました。
マズーンさんは4月にユニセフとチャドを訪問しました。チャドの紛争地域では、学校に通えない初等教育学齢期の女の子の数は、同年齢の男の子の約3倍にのぼります。マズーンさんは、チャド湖畔でのボコ・ハラムとの紛争の影響で学校に通えなくなった子どもたちに出会い、帰国後、紛争の影響を受け、故郷を追われた子どもたちが教育を受けるために直面する困難に関して、理解を促す努力をしてきました。
紛争地では、推定2,500万人の初等・中等教育学齢期の子どもたちが学校に通えていません。難民として暮らす子どもたちに至っては、小学校に通っている子どもは半数のみで、中学校に通っている子どもは4分の1にも満たないのです。
緊急時における教育支援活動は深刻な資金不足に陥っています。2010年以降、人道支援資金のうち教育関連に支出された額の割合は2%未満です。このギャップを埋めるためには毎年85億米ドルが必要です。
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■主要データ
■補足
教育は、ユニセフが各国政府に対して、難民の子どもたちを保護するために取るよう呼びかけている6つの具体的な活動のひとつです。すでに300万人の人々が、6つの具体的な活動を支持することで紛争、暴力や貧困により故郷を追われた子どもたちと連帯を表明していますが、ユニセフは一般市民に対してさらなる参加を呼び掛けています。
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