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【2017年10月20日 東京発】
© UNICEF/Madagascar
ペストの検疫検査準備をする保健員。
アフリカ大陸南部の島国マダガスカルの都市部を中心に、今年9月中旬以降、ネズミを媒介にした「腺ペスト」と人から人へ伝染する「肺ペスト」の2種類のペストの感染が拡大しています。同国保健省によれば、10月19日までの感染者は878人で、既に80人が死亡しています。ユニセフは、仮設病棟の設置や医療用資材の提供などの緊急支援を開始。公益財団法人日本ユニセフ協会(東京都港区・赤松良子会長)は、緊急支援に備えて設けている臨時拠出積立金より、20万米ドル(2,250万8,000円)の拠出を決定しました。
9月中旬に報告されて以来、急速な感染の拡大が続くペスト。10月10日時点で、全国22地域中15の地域で感染が報告されています。特に、首都アンタナナリボや港湾都市トゥアマシナの状況は深刻です。さらに、国の南部でも疑いのある症例が報告されています。
ペストの啓発ポスター。
マダガスカル政府は、10月1日、非常事態宣言を発令。首都アンタナナリボでの集会やスポーツ・文化イベントなどの開催を禁止し、公立学校でも休校が続いています。また、主なバスターミナルなどでの検疫検査も実施。国民には、ゴミの適切な処理や消毒の徹底を呼びかけています。
今回の流行には、二つの特徴が見られます。一つ目は、人から人へ伝播しやすい肺ペスト患者の割合が3分の2以上であるということ。もう一つの特徴は、感染の大部分が、首都のアンタナナリボ(人口372万4,021人)と2つの湾岸都市、トゥアマシナ(人口141万2,021 人)とマハジャンガ(人口88万9,277人)を含む、人口密集地帯で確認されているということです。こうした理由から、さらなる感染拡大への懸念が高まっています。
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