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日本ユニセフ協会
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性的搾取と虐待、職場でのハラスメント
「NOT HERE~ここでは、許されない」
ユニセフ事務局長から全職員に向けた書簡

【2018年3月1日  ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)のヘンリエッタ・フォア事務局長は、ユニセフの全職員に対し、子どもに対する性的搾取および虐待および職場でのハラスメントの問題に組織をあげて取り組むための決意を以下のとおり表明しました。

 * * *

 ヘンリエッタ・フォア事務局長から全職員への書簡

親愛なるユニセフ職員のみなさんへ

先週、私たちは、相手への思いやりや尊敬、平等、信頼などといったユニセフが最も重視する価値に、私たちひとりひとりがどのように従って行動すべきかについて、忌憚ない意見を交わす機会がありました。

職場でのハラスメントに関する懸念や改善に向けてのアイディアをSNSやEメールで送って下さったみなさんに、感謝します。ユニセフ首脳部一同は、みなさんが抱かれた懸念をしっかり受け止めています。私たちは、今後もみなさんの声に耳を傾けながら、今後数日から数週間のうちに私たちの責任を明確にし、行動に移します。

私たちは、権力や権威の濫用を含め、いかなる形の性的搾取も虐待もハラスメントも容認しません。ユニセフの職場の中に、そうしたことが許される場所はありません。

私たちの組織や様々な手続きの中に、見落とされていた部分がありました。そうした欠陥が、長い間放置されてしまったのです。

 

しかし、私たちは今、それを変えようとしています。組織一丸となって、ハラスメントを絶対に許さない組織をつくる強い決意を持っています。私たちが決して忘れてはならないのは、ハラスメントや虐待の被害は一度限りで終わらないということです。ハラスメントや虐待をした人のみならず、そうした行為を容認している人々、予防や防止のための行動を取らない人々、被害者に助けの手を差し伸べない人々、そして被害者や告発者を避ける人々も、ハラスメントや虐待の加害者なのです。

今こそ、ユニセフの新時代をつくるときです。私は、この素晴らしい組織で働くすべての人、そして関係するすべての方に、ユニセフの事務所や職場、支援の現場に、安心して来て欲しいのです。そして、覚えておいて下さい。「NOT  HERE~ここでは、許されない」という言葉を。

 

そして、もしあなたが、何らかのハラスメントを受けたり、子どもや女性に対する性的虐待や搾取を目撃したならば、辱めを受けたり報復を受けることを心配せずに通報できる手段があること、通報できることを知ってください。私は、すべての職員が、必要な時に声を上げることができる職場、職員がお互いを信頼し安心できる組織文化を築いてゆきます。

私たちに届いたすべての通報内容について、迅速に対応することをお約束します。通報してくださった方に随時対応状況をお知らせするとともに、調査や対応が終了するまで、通報者が適切に保護されることをお約束します。そして、ユニセフが共有する価値に従わない行動をした者は、解雇を含め適切に処分します。

 

権力の濫用も含めたあらゆる形態の職場でのハラスメントや子どもや女性への性的虐待や搾取問題に関わる予防や通報、対応について、私たちが早速取り組んでいることをみなさんに知っていただきたいと思います。このふたつの問題に対し断固たる行動を取ることは、私たちがユニセフであることを示す基本中の基本なのです。

まず、職員採用時における職歴や履歴、犯罪歴も含めた身元調査を厳格化します。国連が設置を進める経歴照会システムづくりに、ユニセフも参加します。

職場でのハラスメントや子どもや女性に対する性的虐待や搾取に対する私たちの対応内容を、独立の立場で評価・助言する複数の外部専門家を置きます。外部専門家の評価・助言内容は、公表いたします。さらに、私たちの政策や行動規範の策定を助言する外部有識者グループと組織内の専門チームを、今後数週間から数カ月の間に設置します。

みなさんが、事件を通報し、倫理的・法的・医療的支援を受け、カウンセリングサービスを受けられる施策を、今週から導入し始めます。例えば、間もなく公開される新たなウェブサイトには、初の試みとして、問題が発生した際にワンクリックで複数の管理職(マネージャー)に通報できるシステムを導入しました。問題行為の通報窓口として、すでに運用しているEメール<integrity1@unicef.org>に加え、新たに電話でのホットラインも設けます。その電話番号は近日中に発表します。

ハラスメントに関するオンライン研修を、すべての職員に対し義務付けます。

みなさんが声を上げる機会を確保するためのオンライン・ツールを提供し、オープンに会話できる環境づくりを始めます。ハラスメント問題に関する政策を年内にまとめる予定です。ぜひ、みなさんの声を聞かせてください。

 

最後に、ユニセフは、職員が買春などの性取引に関わったりすることやユニセフが所有するコンピュータ等の機器でポルノ関連コンテンツにアクセスすることを禁じていること、そして、違反した場合には解雇を含む迅速な処分が待っていることをお伝えします。

先週起きたことは、ユニセフで働く私たちひとりひとりにとって、本当に残念な出来事でした。しかし今こそ私たちが、オープンで、互いを尊敬し、インクルーシブな組織をつくる時です。私たち自身のために。そして、将来誇りあるユニセフ職員となる子どもたち、若者たちのために。

ユニセフは素晴らしい職場です。(今年1月事務局長に)就任してからの僅かな期間で、私は職員のみなさんがユニセフという組織を誇りとされている多くの場面に出合いました。みなさんの力で、みなさんの声で、これまで以上に素晴らしい組織にしていきましょう。

 

心をこめて、

ヘンリエッタ・フォア

 
英文プレスリリースはこちら

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