【2018年8月9日 アンマン(ヨルダン)発】
「今ここで起きていることを説明することなんかできない。ここには水も食べものもなくて、恐怖の中で暮らしているの」。イドリブに暮らす12歳の女の子のランドさんはそう言って泣き出しました。
© UNICEF/UN0187723/Sanadiki |
イドリブにはランドさんのような子どもが100万人以上います。戦争に疲れ果て、不安、暴力、さらなる避難に怯えています。多くの子どもたちが避難することを余儀なくされ、中には7回移動を強いられた子どももいます。ほとんどの子どもたちは郊外の過密した避難民キャンプや仮設住居に暮らしています。食料、水や医薬品が深刻に不足しています。これ以上の暴力の激化は、シリアで最も多くの国内避難民を受け入れている地域に大惨事を招くことになります。
14歳の女の子のサラさんは、学校で過ごす貴重な時間が、彼女にとっての唯一の心のよりどころだと言います。「学校に行けるのは週に1回か2回。学校の窓はすべて割れていて、きれいな水はありません」
さらなる暴力の激化が迫る中、イドリブの子どもたちは、他の地域の子どもたちと同様に、最初に最悪の被害を受けることになるでしょう。
「シリアの子どもたちはユニセフ(国連児童基金)に、もううんざりだと言いました。私たちは、紛争当事者、彼らに影響力のある者、そして政治的プロセスに関与している者に対して、何よりも子どものことを最優先するよう求めます」とユニセフ中東・北アフリカ地域事務所代表ヘルト・カッペラエレは述べました。「シリアの子どもたちは、さらなる暴力の波を耐えることはできないし、耐えるべきではありません。さらなる激しい戦闘やさらなる殺戮にもです」
サラさんやランドさんのような子どもたちはシリアのいたるところにいます。ユニセフは、このような子どもたちと彼らの必要としていることを優先し、せめて一度でも、子どもたちのことを、政治的、軍事的、および戦略的な成果や課題より重視することを求めます。子どもたちとシリアの運命はそのことにかかっているのです。
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