【2018年9月3日 ダカール(セネガル)/ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)は本日、ナイジェリア北部、チャド、カメルーン、およびニジェールで、1,000校近くの学校が、暴力や情勢不安によって閉鎖または機能停止に陥っており、チャド湖地域に暮らす350万人以上の子どもたちが、終わらない紛争、避難生活、および学校に対する攻撃への恐怖により、教育を受けることが難しくなっていると警鐘を鳴らしました。
©UNICEF/NYHQ2015–0477/Esiebo |
「情勢不安のときには、教育は生命維持にも救命措置にもなり得るのです」とユニセフ本部緊急支援局局長マニュエル・フォンテーンは述べました。「教育は子どもと若者の生涯にわたる学習をサポートします。教育を通して、彼らと彼らの家族がより良い将来を築き、コミュニティーの平和と繁栄に貢献するために必要な技術を身につけることができるのです。しかし、危機的状況下では教育に対する資金が不足しがちです」
ユニセフは、危機的状況下にある子どもたちが必要とする教育支援のために4,170万米ドルを必要としていますが、2018年の上半期に確保できたのはその僅か8%です。
2018年9月3日・4日に、各国政府、国際機関、および市民団体がベルリンに集まり、チャド湖地域に関する2回目の国際人道会合を開催します。2017年2月のチャド湖地域に関するオスロ人道会合で高められた関心を維持し、人道支援を継続するための資金確保を目的としています。
ユニセフとパートナー団体は昨年、情勢不安、避難生活、および貧困などの困難に直面しながらも、各国政府と協力して、危機的状況下にある子どもたち100万人以上が学校に戻れるよう支援しました。
© UNICEF/UN0227231/Sang Mooh |
ユニセフとパートナー団体は、約15万人の小学生に対して、学校において就学時間中に攻撃や治安上の問題が発生した際の避難・施錠訓練を実施しました。約2,000人の教員が、緊急時の被害を最小限にするための災害対策教育の研修を受け、1万4,000人以上の教員が、授業に心理社会的ケアを取り入れるための研修を受けました。学校を守る活動にはコミュニティーも巻き込んでおり、さらにナイジェリアでは教員養成研修にも取り入れています。
教育が攻撃にさらされ、子どもが学校に通うことが困難になったとき、あるいは教育施設のインフラ整備が不十分な場合、ユニセフはパートナー団体および政府と協力して、代替教育を確実に提供できるようにしています。ユニセフは、カメルーンやニジェールにおいて紛争下や緊急状況下にある子どもたちを対象に、ラジオを活用し、識字、算数、および生計向上に必要な技術を学び続けられるよう支援しています。
「紛争の影響からコミュニティーが復旧するにつれて、教育などの社会サービスに対する持続的な投資が、長期的な安定や、地域とその子どもたちの健康な暮らしには必要不可欠です」と、ユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所代表のマリー・ピエール・ポワリエは述べました。「私たちはすべての国家に対して、『Safe Schools Declaration(安全な学校宣言)』に同意し、紛争下であっても、学校において子どもたちを守るための措置を徹底するよう強く求めます」
世界で最も貧しい地域のひとつであるチャド湖地域は、9年以上紛争と情勢不安の影響を受けています。治安状況は改善しているものの、子ども600万人を含む、1,000万人以上の人々が、依然として人道支援を必要としており、240万人が避難生活を余儀なくされています。村や町に対する暴力や攻撃が止まないために、避難民たちが故郷に戻り生活を立て直すことが難しい状況が続いています。
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2017年2月、ノルウェーの首都オスロで、ドイツ、ナイジェリア、ノルウェー、国連が共催したチャド湖地域に関するオスロ人道会合は、この地域の人道開発支援のために6億7,200万米ドルの財政支援を約束しました。その結果、規模を拡大した人道支援が実施され、600万人以上が深刻な危機から逃れることができました。しかし、深刻な貧困、気候変動、および紛争により、今なお何百万人もの人々が危機的状況に晒され続けています。9月3日・4日にはベルリンにおいて、チャド湖地域の人道支援活動を継続し、地域の持続可能な開発を促進するための国際会合が開催されます。
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