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日本ユニセフ協会
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イエメン
10分に1人、予防可能な病気で子どもが死亡
ユニセフ・WHO、コレラ予防接種30万人に

より継続した人道支援の必要性訴える

【2018年10月5日  アンマン(ヨルダン)発】

イエメンにおいて、ユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機関)が共同でコレラの予防接種キャンペーンを本日まで実施し、15歳未満の子ども16万4,000人を含む30万6,000人以上の人々がコレラの予防接種を受けました。この数は最終日の報告を受けて増加するものと思われます。ホデイダとイブの3つの保健区で3,000人の保健員を動員して実施されたこの予防接種キャンペーンは、「静かな日々」と呼ばれる紛争当事者間が合意した攻撃の一時停止により可能になりました。

命を守る予防接種

コレラの予防接種を受けるイエメンの子どもたち(2018年9月30日撮影)

© UNICEF/UN0240862/Foa’ad

コレラの予防接種を受けるイエメンの子どもたち(2018年9月30日撮影)

「この予防接種キャンペーンの成功は、攻撃が止み、人道支援を届けることが可能になったとき、私たちが協力して子どもたちと家族に何を出来るかを示してくれました」とユニセフ事務局長ヘンリエッタ・フォアは述べました。「しかし、今回は緊急的な措置でしかありません。紛争への包括的な政治的解決のみが、この国全土の子どもたちの幸福(健康)を確保できるのです」

「予防可能な病気で命を落とすなど、受け入れがたいことです」とWHO事務局長テドロス・アダノム・ゲブレェサスは述べました。「今回の攻撃の一時停止により、コレラの予防接種キャンペーンを終了できました。予防接種は人々が必要とする数多くの保健サービスのうちのひとつです。究極的には、和平が健康への唯一の道なのです」

イエメンでは2017年4月以降、コレラが疑われる症例が120万件以上報告され、関連した死亡数が2,515件にのぼるという、近年最悪のコレラの流行のひとつとなりました。予防接種は、これ以上の感染拡大を防ぐために必要不可欠です。今回のキャンペーンは、3つの保健区の54万人を対象としています。

年内に、コレラの予防接種が必要な人はまだたくさんおり、さらに何百万人の子どもたちがポリオ、はしか、肺炎などの予防可能な病気に対する予防接種を必要としています。

イエメンの何百万人の人々、特に子どもたちにとって、予防接種は生死を分けるものです。10分に1人の割合で、子どもたちが予防可能な病気が原因で命を落としています。イエメンの保健制度は崩壊寸前です。ほとんどの保健医療従事者は過去2年間給料を支払われていません。医療資材は不足しています。水道施設や保健施設などの生活に欠かせない社会インフラ施設あるいはその周辺に対して日々攻撃が行われています。

人道支援を最優先に

子どもたちの間に広がる急性栄養不良は、彼らをさらに下痢を伴う病気にかかりやすくします。ユニセフとWHOは、紛争当事者に対して、国際法を守り、社会インフラ施設に対する攻撃を止め、イエメンの必要とするすべての子どもたちに支援を届けるために安全で、無条件かつ継続的な移動を保証するよう、あらためて求めます。「静かな日々」は、人道支援従事者がイエメンの弱い立場にある子どもたちと家族のもとに行き、世界最悪の人道危機に見舞われた彼らが生き抜くための支援を提供するための前向きな一歩です。また、イエメンの人々の幸福と健康を中心に据えた、より広い平和構築に向けた努力の機会を提供できる可能性があります。

補足説明:

  • イエメンでは昨年、コレラあるいは急性水様性下痢症に罹った疑いのある人が100万人以上います。
  • コレラの予防接種は、長期的な予防効果を得るために、2回の接種が必要となります。ホデイダとイブで実施された今回のキャンペーンは2回目の予防接種で、初回は8月に実施されました。ユニセフ、WHOおよびパートナー団体は、コレラ発生率の高いアデン地区でも予防接種キャンペーンを実施しました。
  • 今回および過去のコレラの予防接種キャンペーンで使用したワクチンは、Gaviアライアンスの資金によって世界中に備蓄されている経口コレラワクチンの中から届けられました。

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